映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

トワイライトささらさや

2015年08月01日 | 映画(た行)
気になって、気になって、気になって、気になって・・・



* * * * * * * * * *

突然の事故で夫ユウタロウ(大泉洋)を亡くした、サヤ(新垣結衣)。
生まれたばかりの息子を抱え、身寄りもない。
そんな二人を残して逝ってしまったユウタロウは、
二人のことが「気になって、気になって、気になって、気になって・・・」
成仏することができず、
様々な人に乗り移って現れてはサヤを助けていきます。
そんな時、死んだと聞かされていたユウタロウの父(石橋凌)が現れ、
子どもを引き取りたいという・・・。



まるでミニチュアのように映しだされるこの町、「ささら」がステキです。
サヤが叔母から残された古い家。
今どきあまり見かけない大きな乳母車。
ちょっとファンタジックなこのストーリーにいい味が加わっています。



はじめ、夫に先立たれた若き母は、いかにも心もとなく見えます。
この人が見知らぬ街にたった一人でやってきて、
赤子を抱えて生きていこうとするのは心細すぎる。
時々見知らぬ人に乗り移ったユウタロウが現れますが、いつもではない。
そんな彼女を見守り支えるように、少しずつ知人が増え、生活が彩られていく。
それとともに、サヤもまた成長していきますね。
人がしっかりと前に動き出そうとするときには、
やはり人の手助けや支えが必要なのだな。



母親役にはまだ若いと思わせる新垣結衣さんが、
この場合そういう成長ぶりを感じさせるのにぴったりでした。
でも本作の主役は何と言ってもこの、赤ちゃんなのではないかな?
純真無垢な赤ちゃんの笑みは、それだけで私達を和ませる。
かわいい~!!



大泉洋さん? 
そりゃもう、言うまでもなく。
妻子を残して逝ってしまうなどという最大の悲劇を
コメディに変えることができるなどというキャラは、大泉洋さんくらいです。
そして、ユウタロウが乗り移った演技をする俳優の皆様方も見事。
色々と楽しめる作品でした。


加納朋子さんの原作「ささらさや」は読んだと思うのですがあまりよく覚えてはおらず・・・、
でも本作とはかなり異なっていたような気がします。
まあ、それぞれに別のものとして愉しむのもアリです。

トワイライト ささらさや 2枚組(本編+特典ディスクDVD) [Blu-ray]
新垣結衣,大泉 洋
バップ


「トワイライトささらさや」
2014年/日本/114分
監督:深川栄洋
原作:加納朋子
出演:新垣結衣、大泉洋、中村蒼、福島リラ、富司純子、石橋凌

ファンタジック度★★★☆☆
満足度★★★★☆