え?シリーズ最終章?
* * * * * * * * * *
閉鎖を免れた東城大学医学部付属病院。
相変わらず病院長の手足となって働く“愚痴”外来・田口医師への今回の依頼は、誤診疑惑の調査。
検体取り違えか診断ミスか―。
国際会議開催の準備に向け米国出張も控えるなか、
田口は厚労省の役人・白鳥とともに再び調査に乗り出す。
「バチスタ」シリーズ真の最終章!
豪華特典として書き下ろしエッセイ「放言日記」と桜宮市年表&作品相関図も収録。
* * * * * * * * * *
「田口&白鳥、最後の事件!」という触れ込みになってますね。
私は、何といっても海堂尊作品ではこのシリーズが一番好きなので、
残念な気がしてなりませんが、でもまあ、全て繋がっている海堂作品のこと、
きっと今後の作品でもこの二人はどこかで登場してくるに違いありません。
さて本作、田口医師が病院内で起きた
誤診疑惑(検体取り違えか? 診断ミスか?)に取り組むのと合わせて
「Ai標準化国際会議」開催のための慌ただしい日々を追っています。
検体のスライド取り違えは、実はありえない、
ということを理詰めで追っていく白鳥の手腕。
やっぱり本作はミステリだったんですねー。
ここの部分はしっかり「本格」モノでした。
白鳥が「嘘発見器」だなどといって、
万華鏡を関係者に握らせた意図だけは私にも読めましたが。
「Ai標準化国際会議」は、つまり
これまで著者がこのシリーズで言い続けたAiについての集大成なんですね。
田口医師が準備のためにボストンまで行って講演を成し遂げる
なんていう得難いシーンもあります。
そして私が好きだったのは日本でのその会議の開催前日。
愚痴外来の診察室に豪華メンバーが集まって、飲み会を開くシーン。
桐生医師、速水医師(私の中では速水医師=西島秀俊なんで大歓迎!!)、
彦根医師、そして、田口&白鳥、
おまけに藤原看護師。
気を使わない仲間同士が大いにAiを論じ、飲む。
キャバクラでないところなんとも慎ましく、いいじゃないですか。
なんだか夢のようです。
また、本巻には2010年~2015年の著者の「放言日記」も収録されています。
著者はAiのことだけではなくいろいろなところで物議を醸しているようで・・・。
でも、叩かれてもおもねることなく、思ったことを言う。
だからこそ信頼できるというところはありますね。
『本屋大賞』の「書店員が一番売りたい本」というキャッチコピーが下品で嫌いとのこと。
考えたことなかったですが、
まあ言われてみれば確かに、「売りたい」という部分には拝金主義を感じなくもないか。
「感動を分かち合いたい」というのが原点のはずですね。
「カレイドスコープの箱庭」海堂尊 宝島社文庫
満足度★★★★☆
カレイドスコープの箱庭 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) | |
海堂 尊 | |
宝島社 |
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閉鎖を免れた東城大学医学部付属病院。
相変わらず病院長の手足となって働く“愚痴”外来・田口医師への今回の依頼は、誤診疑惑の調査。
検体取り違えか診断ミスか―。
国際会議開催の準備に向け米国出張も控えるなか、
田口は厚労省の役人・白鳥とともに再び調査に乗り出す。
「バチスタ」シリーズ真の最終章!
豪華特典として書き下ろしエッセイ「放言日記」と桜宮市年表&作品相関図も収録。
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「田口&白鳥、最後の事件!」という触れ込みになってますね。
私は、何といっても海堂尊作品ではこのシリーズが一番好きなので、
残念な気がしてなりませんが、でもまあ、全て繋がっている海堂作品のこと、
きっと今後の作品でもこの二人はどこかで登場してくるに違いありません。
さて本作、田口医師が病院内で起きた
誤診疑惑(検体取り違えか? 診断ミスか?)に取り組むのと合わせて
「Ai標準化国際会議」開催のための慌ただしい日々を追っています。
検体のスライド取り違えは、実はありえない、
ということを理詰めで追っていく白鳥の手腕。
やっぱり本作はミステリだったんですねー。
ここの部分はしっかり「本格」モノでした。
白鳥が「嘘発見器」だなどといって、
万華鏡を関係者に握らせた意図だけは私にも読めましたが。
「Ai標準化国際会議」は、つまり
これまで著者がこのシリーズで言い続けたAiについての集大成なんですね。
田口医師が準備のためにボストンまで行って講演を成し遂げる
なんていう得難いシーンもあります。
そして私が好きだったのは日本でのその会議の開催前日。
愚痴外来の診察室に豪華メンバーが集まって、飲み会を開くシーン。
桐生医師、速水医師(私の中では速水医師=西島秀俊なんで大歓迎!!)、
彦根医師、そして、田口&白鳥、
おまけに藤原看護師。
気を使わない仲間同士が大いにAiを論じ、飲む。
キャバクラでないところなんとも慎ましく、いいじゃないですか。
なんだか夢のようです。
また、本巻には2010年~2015年の著者の「放言日記」も収録されています。
著者はAiのことだけではなくいろいろなところで物議を醸しているようで・・・。
でも、叩かれてもおもねることなく、思ったことを言う。
だからこそ信頼できるというところはありますね。
『本屋大賞』の「書店員が一番売りたい本」というキャッチコピーが下品で嫌いとのこと。
考えたことなかったですが、
まあ言われてみれば確かに、「売りたい」という部分には拝金主義を感じなくもないか。
「感動を分かち合いたい」というのが原点のはずですね。
「カレイドスコープの箱庭」海堂尊 宝島社文庫
満足度★★★★☆