映画と本の『たんぽぽ館』

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アイアムアヒーロー

2016年05月09日 | 映画(あ行)
一味違うゾンビもの



* * * * * * * * * *

ゾンビものは守備範囲外ではありますが、
やはり大泉洋は見逃せない、というわけで・・・。



主人公はサエない漫画家アシスタントの英雄。
名前は「ヒーロー」だけれども、全然実態が伴っていない。
人からもそう思われているし、自分自身もそう思っています。
ある日、謎のウイルスによりZQN(ゾキュン)と呼ばれるゾンビ化した者たちが現れ、町は大パニック。
その逃亡途中に出会った女子高生の比呂美(有村架純)や
元看護師の藪(長澤まさみ)とともに、
全くおぼつかない戦いぶりながらも必死でサバイバルしていくさまを描きます。



サエない漫画家志望がなぜ?と思うのですが、英雄は銃を持っているのです。
クレー射撃用のライフルで、一応それが彼の趣味。
きちんと銃刀法による所持免許も持っています。
そこがハリウッド映画とは違いますよね。
当然英雄はこれまでに人を撃ったことなんかありません。
だから、相手がゾキュンであっても躊躇してしまって、なかなか撃てないのです。
しかし、自分が守ると約束した比呂美に危機が及んだ時、彼は立ち上がる!!



根っからのヒーローではなくて、並以上のヘタレの男・・・
というのが本作のミソとなっているわけです。
一方ゾキュンの方も、これまで色々と描かれているゾンビとはまた一味違っていて、
生前のその人(?)のこだわりや習癖が行動となる。
元漫画家のゾキュンは締め切りばかりが気になるし、
元サラリーマンは、電車のつり革に捕まるポーズをとってしまう。
中でも怖いのは元陸上選手のゾキュンで、常に走り高跳びに挑戦している。
その彼が、ビル屋上に立てこもっている人々のもとに侵入してくる、というのが怖い!!



そしてまた、なんとヒロインの比呂美は、
赤ん坊のZQNにかじられ、半ZQN状態となってしまうのです!! 
人を襲ったりはしないものの、どーするのよ、これ!!
本作では、とりあえず第一の危機を乗り越えるまでで終わっているので、
この比呂美ちゃんの今後がとても気になるところ・・・。
原作コミックも見てみたくなりますね。 
続編はないのでしょうか?
(でもあればあったで、やはり私は、見るのが面倒になってしまいそうです) 
それにしてもやたら血みどろ、R15+というのも納得・・・。



「アイアムアヒーロー」
2016年/日本/127分
監督:佐藤信介
原作:花沢健吾
出演:大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠
血みどろ度★★★★★
ヒーロー度★★★★☆
満足度★★★☆☆