「泣き」を売りにしてはいけない
* * * * * * * * * *
「病気の女の子のストーリーは見ない」という信条の私、
本作は「女の子」ではないけれど、まあ、通常ならパスすべきところですが、
何しろ佐藤健さんだし(!)、
そして函館が舞台なので、やはり見てみようかな、と。
ある日突然、脳腫瘍で余命わずかと宣言されてしまった青年(佐藤健)。
呆然としていると、自分そっくりの「何者か」が現れて言うのです。
「この世から『何か』を消す代わりに、一日の命を与えよう」と。
彼はパセリが嫌いなので、まずパセリなら消えてもいいな、と思うのですが、
自分では選択権はないんだって・・・。
なんだ、そうなの・・・。
で、いきなり「電話」が消えてしまいます。
そして、映画、時計・・・。
電話は、自分と彼女(宮崎あおい)が付き合うきっかけになった大切なもの。
映画は親友(濱田岳)ができたきっかけになったもの。
そして時計は、父親(奥田瑛二)が時計店を営んでいるので、かけがえのないもの。
これらが一つずつ消えていくと、その思い出も消え、
その人との繋がりも消えていってしまうのです。
とすれば、その人達の中にあった自分の思い出も消えていってしまう。
つまり、これらが消えていくことは、
すなわち自分の存在が消えていってしまう=死、なんじゃないのかな。
もしこのままこれらのアイテムが在り続ければ、
自分の体は消え果てても、彼女、彼らの中には自分は生き続ける
・・・そういうことなのかもしれません。
そしてついにあと一日で世界から「猫」が消えるという時、青年は一つの決断を下します。
猫の思い出に象徴される人物とは・・・?
函館の坂道や路面電車、寂れた映画館、雰囲気はバッチリ。
でもなぜいきなり南米の滝なのか、よくわからない。
「最後の決断」って、それはもう他には考えられないわけですし・・・。
第一、映画はともかく、電話も時計もなかったら、文明は破滅です!!
TVのCMでは「泣ける」ことを売りにしていましたが、私はちっとも泣けなかったですし。
どこで泣けばよいのやら、なんだかとらえどころがない。
まあ、これはたまたま私の「ツボ」にはまらなかっただけなのでしょうけれど。
でも「泣ける」ことを売りにするのは、ナシじゃないでしょうか。
泣けなければそれで失敗のように思えてしまう・・・。
あ、そうだ。
でもこのストーリー後のお父さんの気持ちを考えると気の毒で、気の毒で・・・、
これは泣ける!!
せっかくの佐藤健さんだったのですが、なんだか残念な作品でした。
猫ちゃんは文句なくカワイイ!
「世界から猫が消えたなら」
2016年/日本/103分
監督:永井聡
原作:川村元気
出演:佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、奥田瑛二、原田美枝子
お涙度★★☆☆☆
満足度★★☆☆☆
* * * * * * * * * *
「病気の女の子のストーリーは見ない」という信条の私、
本作は「女の子」ではないけれど、まあ、通常ならパスすべきところですが、
何しろ佐藤健さんだし(!)、
そして函館が舞台なので、やはり見てみようかな、と。
ある日突然、脳腫瘍で余命わずかと宣言されてしまった青年(佐藤健)。
呆然としていると、自分そっくりの「何者か」が現れて言うのです。
「この世から『何か』を消す代わりに、一日の命を与えよう」と。
彼はパセリが嫌いなので、まずパセリなら消えてもいいな、と思うのですが、
自分では選択権はないんだって・・・。
なんだ、そうなの・・・。
で、いきなり「電話」が消えてしまいます。
そして、映画、時計・・・。
電話は、自分と彼女(宮崎あおい)が付き合うきっかけになった大切なもの。
映画は親友(濱田岳)ができたきっかけになったもの。
そして時計は、父親(奥田瑛二)が時計店を営んでいるので、かけがえのないもの。
これらが一つずつ消えていくと、その思い出も消え、
その人との繋がりも消えていってしまうのです。
とすれば、その人達の中にあった自分の思い出も消えていってしまう。
つまり、これらが消えていくことは、
すなわち自分の存在が消えていってしまう=死、なんじゃないのかな。
もしこのままこれらのアイテムが在り続ければ、
自分の体は消え果てても、彼女、彼らの中には自分は生き続ける
・・・そういうことなのかもしれません。
そしてついにあと一日で世界から「猫」が消えるという時、青年は一つの決断を下します。
猫の思い出に象徴される人物とは・・・?
函館の坂道や路面電車、寂れた映画館、雰囲気はバッチリ。
でもなぜいきなり南米の滝なのか、よくわからない。
「最後の決断」って、それはもう他には考えられないわけですし・・・。
第一、映画はともかく、電話も時計もなかったら、文明は破滅です!!
TVのCMでは「泣ける」ことを売りにしていましたが、私はちっとも泣けなかったですし。
どこで泣けばよいのやら、なんだかとらえどころがない。
まあ、これはたまたま私の「ツボ」にはまらなかっただけなのでしょうけれど。
でも「泣ける」ことを売りにするのは、ナシじゃないでしょうか。
泣けなければそれで失敗のように思えてしまう・・・。
あ、そうだ。
でもこのストーリー後のお父さんの気持ちを考えると気の毒で、気の毒で・・・、
これは泣ける!!
せっかくの佐藤健さんだったのですが、なんだか残念な作品でした。
猫ちゃんは文句なくカワイイ!
「世界から猫が消えたなら」
2016年/日本/103分
監督:永井聡
原作:川村元気
出演:佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、奥田瑛二、原田美枝子
お涙度★★☆☆☆
満足度★★☆☆☆