映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

グラスホッパー

2016年05月12日 | 映画(か行)
悪くはないけど



* * * * * * * * * *

先に、原作本を見た限りではなかなか面白く、
満足度も高いものだったのですが、さて?


何者かに仕組まれた事故により恋人・百合子(波瑠)を亡くした鈴木(生田斗真)。
彼は、教員の職を捨て、裏社会の組織に潜入し、亡き恋人の復讐を図ろうとします。
そこに絡んでくるのが、それぞれ心に闇を抱えた殺し屋たち。
通称、鯨(浅野忠信)、

蝉(山田涼介)、
押し屋(吉岡秀隆)。

彼らにの間には本来何の繋がりもなかったのですが、次第に絡み合ってくる。
そんな中で、善良でトホホの存在、鈴木が光ります。



そうだよね、
確かにこんなストーリーだった、というのが第一の印象。
でも一番違うのはその肌触りというか・・・。
伊坂幸太郎作品は、何か淡々としてサラリと乾いた感じがするのです。
こんなこと思うのは私だけかもしれませんが。
だから本の上では、確かに血なまぐさいシーンはあったのですがそれほど印象は深くない。
でも映像になると、ほんとに血生臭く臭ってしまうのですよね。
…まあ、そこが見どころで、欠かせないのかもしれませんが。
だから一番違うのはそういう肌触り。



でも、亡き恋人の百合子が言った「タイムカプセル」
ということのエピソードがよく出来ていて、泣かされました。
まあ、悪くはない。
だけれども、やっぱり本のほうが楽しめたと思います。

→「グラスホッパー」伊坂幸太郎


グラスホッパー スタンダード・エディション [DVD]
生田斗真,浅野忠信,山田涼介,麻生久美子,波瑠
Happinet(SB)(D)


「グラスホッパー」
2015年/日本/119分
監督:瀧本智行
原作:伊坂幸太郎
出演:生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、波瑠、村上淳