映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

追憶の森

2016年05月05日 | 映画(た行)
彼が樹海で出会ったのは・・・



* * * * * * * * * *

自殺のため、富士山の麓、青木ヶ原へやってきたアメリカ人男性、アーサー(マシュー・マコノヒー)。
樹海の奥へ踏み込んでいくと、
よろよろとさまよい歩いている日本人ナカムラ(渡辺謙)と出会います。

彼も死ぬつもりでこの森に入ってきたのですが、失敗し、
戻ろうとしているのですが、道に迷い、出ることができないでいたのです。
怪我をし、衰弱して帰りたがっているナカムラを
アーサーは見捨てることができません。
自分が死ぬことよりもまず、この男を助けなければ、という気持ちになったのです。
しかし、磁石も狂いケータイも通じない青木ヶ原。
二人でさまよううちにアーサーもひどい怪我をしてしまいます。


森を歩くシーンの合間に、
アーサーが自殺を決意することになった原因の、妻(ナオミ・ワッツ)との事情が語られていきます。



アーサーは妻とは全くうまく行っていませんでした。
そういうことが原因なのかと思えば、
これもまた思いがけない展開があり驚かされます。
でも本作で本当に驚くべきなのは、ラストです。
・・・と言いながら、実は私、
予告編を見た時からうっすらと想像がついていました。
ごめんなさい、この手のストーリーの本や映画、結構見ていますからねえ・・・。
だからナカムラの語る言葉には一つ一つ、
あとから「ああ」と思わせられる仕掛けがあるのです。



ナカムラの妻の名前が「キイロ」で、娘の名前が「フユ」?? 
なにそれ?と日本人なら思ってしまいますよね。
しかもその意味と言うのは、
実は日本人なら最後の最後まで見なくてもネタバレしてしまうのが、ちょっと残念。



そうではあるのですが、マシュー・マコノヒーと渡辺謙という前代未聞のコラボ。
いいですねえ。
さすがにこれは一見の価値があります。

「追憶の森」
2015年/アメリカ/110分
監督:ガス・バン・サント
出演:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ
どんでん返し度★★★☆☆
満足度★★★★☆