映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブルーム・オブ・イエスタディ

2017年10月09日 | 映画(は行)
祖父母の人生が重くのしかかる



* * * * * * * * * *

祖父がナチスの戦犯だった研究者のトト(ラース・アイディンガー)。
ホロコーストの研究に人生を捧げています。
一方、祖母がナチスの犠牲となったユダヤ人のザジ(アデル・エネル)は、
祖母の無念を晴らそうとして、ホロコースト研究に向かい、研修生となります。
この2人がコンビを組んでアウシュビッツ会議の企画推進に携わることに。
当然反発し合うわけですが、
次第に惹かれ合っても行く2人は・・・。



ふたりとも、祖父・祖母の人生が自分に重くのしかかっています。
そのことに囚われすぎて、双方神経衰弱気味。
いつも神経を尖らせていて、時には暴発したりします。
ほとんど「危ない」域に達している・・・。



この2人が180度違う立場の者と触れ合う。
互いの状況が飲み込めてくるにしたがって、
自分の傷も埋まっていくというような・・・なかなか納得のゆくストーリーです。



特に、ナチの戦犯の子孫というのは辛い立場ですね。
それは全く自分の罪ではないのだけれど、
トトは通常以上に罪悪感を持ち、
祖父のようにはなるまいと思う気持ちが強すぎて、
ホロコースト研究にのめり込むようになる。
それはほとんど自己否定にも等しいから、トトは体に変調があるのです。



自己否定も憎しみも・・・3代も続けばもう十分。
明らかに自分の責任の範囲外なのですから・・・。
と、思うのに、虐げられた方の恨みや憎しみは
そう簡単に消えないものですよね。
未だに日本に向けた韓国や中国の方の気持ちが痛い・・・。



少なくとも今生きる私たちは、
子孫に嫌な負の感情の遺産を残したくはないなあ・・・と思う次第。


 <ディノスシネマズにて>
「ブルーム・オブ・イエスタディ」
2016年/ドイツ・オーストリア/123分
監督:クリス・クラウス
出演:ラース・アイディンガー、アデル・エネル、ヤン・ヨーゼフ・リーファース、ハンナー・ベルツシュプルンク
満足度★★★☆☆