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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

2017年10月17日 | 映画(は行)
勇気を持って前へ進め!



* * * * * * * * * *

第80回アカデミー賞で短編ドキュメンタリー作品賞を受賞した実話の映画化。
20年以上刑事として働くローレル(ジュリアン・ムーア)は、
ステイシー(エレン・ペイジ)という若い女性と出会い恋に落ちます。
まもなく2人は同性のパートナーとして共に暮らし始めます。
そんなある時、ローレルが病に倒れ、余命わずかということがわかります。
自分の亡き後、ステイシーが遺族年金を受け取れるように、
ローレルは郡に申請を出すのですが、認められません。
けれどあきらめきれず、やがてこの申請は社会的な運動へと拡大していきます。



ローレルは発病するまで職場でも自分が同性愛者であることは秘密にしていました。
長年の仕事の相棒ディーン(マイケル・シャノン)にさえも。
けれど、遺族年金申請のためには秘密にしておくわけにはいきません。
今現在は全米で同性の結婚が認められているそうなのですが、
本作の時点では「パートナー」としての同居までは認められているのですが、
「結婚」とは別とされていたのです。

2人のことを知ったディーンも始めはうろたえ、反発を感じていたのですが、
これまでの刑事としての優秀な仕事ぶりとそのことは何の関係もない、
むしろ友人として彼女を支えるのが当然のことだと考えるようになります。
そして職場内、一般の人々へと思いは広まってゆく。



先日見た「ドリーム」の一幕を思い出しましたよ。
最終的な判断を下すお役所でのこと。

「前例がないからダメだ、ではなくて、
これが記念すべき前例になるのだ、と考えるべきだ。」
という話。

本当にそうですね。
前例がないことを理由にしてはいけませんね。



LGBTの権利というのも、こんなふうな一つ一つの細かな事務的なことを解決しながら
今に至っているのでしょう。
最後に実在のローレルとステイシーの写真が紹介されていましたが、
ホンモノのステイシーはエレン・ペイジよりももっとハンサムボーイ風でした。
ステキ♡です。

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気 [DVD]
ジュリアン・ムーア,エレン・ペイジ,マイケル・シャノン,スティーヴ・カレル
松竹


<WOWOW視聴にて>
「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」
2015年/アメリカ/103分
監督:ピーター・ソレット
出演:ジュリアン・ムーア、エレン・ペイジ、マイケル・シャノン、スティーブ・カレル
勇気度★★★★☆
満足度★★★.5