映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ニューヨーク、愛を探して

2017年10月23日 | 映画(な行)
母と娘のドラマ



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ニューヨークを舞台に、様々な母娘の関係を描く群像劇。
日本未公開。


★女性カメラマン・リグビーは、人気ロックバンドのリーダーにその腕を買われ、
ツアーへの同行を依頼されるのですが、ちょうどそんな時、
不倫関係を解消したばかりの男性の子どもを妊娠していることがわかります・・・。


★下着デザイナーのジョージナは、仕事も順調、恋人ともうまく行っています。
しかしある日届いた1通のメール。
このことで彼女は自らのつらい過去と向き合うことになります。


★母親を亡くしたレベッカ。
しかし実はなくなったのは「祖母」で、
「姉」と呼んでいた人こそが実の母親だったことを聞かされ、愕然とします・・・。


主にこの3人の女性を中心に、交互にストーリーが進展してゆきます。
アメリカ作品では父と息子の関係性がテーマとなることが多いのですが、
母と娘についても色々ありますね。
河合隼雄先生の言によれば、
母性は時には「グレートマザー」として、すべてを飲み込んで死に至らしめる、
というような性格を持つ。
そうしたことの反発で、母と娘がうまくいかなくなることもありがちです。
そして母の「産む」か「産まざるか」という選択の問題もあります。
さらにまた、自分が産んだ子どもを育てられないときの引け目・・・。
女性として生きる上で、娘である立場、母である立場、双方を経験することが多いわけで、
そこには確かに無数のストーリーがありそうです。
そしてそこには正解なんかない。
迷って、悩んで、自分の道を探すしかないのだろうな・・・。

<WOWOW視聴にて>
「ニューヨーク、愛を探して」
2016年/アメリカ/92分
監督:ポール・ダドリッジ
出演:セルマ・ブレア、コートニー・コックス、クリスティーナ・リッチ、スーザン・サランドン、ミラ・ソルビノ

それぞれの人生度★★★★☆
満足度★★★☆☆