映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

彼女がその名を知らない鳥たち

2017年11月07日 | 映画(か行)
不潔感がハンパない・・・



* * * * * * * * * *

下品で貧相、金も地位もない15歳年上の陣治(阿部サダヲ)と暮らす十和子(蒼井優)。
彼女はそんな陣治には嫌悪を抱いていて、
そして8年前に別れた黒崎(竹野内豊)のことを忘れることができずにいます。

しかし、十和子は実際陣治の収入だけに頼って生活しているので、
今の生活を捨てることもできません。
クレームの電話で知り合った時計店員の水島(松坂桃李)との逢瀬を楽しんだりもしています。
ある時、十和子は黒崎が行方不明となっていることを知ります。
一日に何度も電話をよこしたり自分を尾行するなど
異常な執着を見せる陣治に対して、十和子はある疑念を抱くようになりますが・・・。



沼田まほかるさん原作の、まあ、今風に言うところのイヤミス。
私はこれが苦手で、読書でも湊かなえ、沼田まほかる等は、避けているのですが・・・。
この日、本当は「ラストレシピ」を見たかったのです。
しかし初日で祝日。
出演が西島秀俊さんだけならまだしも、ニノだから・・・。
ギャルで大混雑であろう劇場を避けたら、
なんとなくこの作品になってしまった。
・・・で、見てすぐにやっぱりよせばよかったと思いました。



十和子は自堕落でわがままで、すご~くイヤな女なんです。
陣治はあの不潔感がたまらない・・・。
つまりは主演お二人の演技、人物造形が素晴らしいということなんですけどね。
それにしても見ているこちらは嫌悪しか感じられない。
こりゃーもう、どうしようもない。
しかもセックスシーンが妙に濃厚というのも居心地が悪い・・・。
十和子はまたメンクイで、陣治を見下していて、
水島にはあっという間になびく。
まあ、そこのところはわかるけど・・・(^_^;) 
いやしかし、水島のはじめの行動にも驚かされましたけれど・・・。
結局水島ってそんなヤツだったんです、初めから。
なんで松坂桃李にこんな役させるのよ!といいたくなるくらい。



結局は、ラストで十和子と陣治の関係性を逆転させるための
このような設定というわけで・・・。
ストーリーとしてはよくできています。
でも、やっぱり駄目です。
私の感性がこれを否定します。
やっぱり私はイヤミスには近寄らないほうが良さそう・・・。



<ディノスシネマズにて>
「彼女がその名を知らない鳥たち」
2017年/日本/123分
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる
出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、村川絵梨

逆転性★★★★☆
満足度★★☆☆☆ (←単に好みの問題です。)