映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

はじまりのボーイミーツガール

2018年01月08日 | 映画(は行)
オバサンは、こういうボーイミーツガールに弱い・・・



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クラスで落ちこぼれの少年ヴィクトールには、気になる女の子がいます。
同じクラスの優等生マリー。
ある時、何故かマリーがヴィクトールに勉強を教えてくれるというのです。
おかげでメキメキとヴィクトールの成績は上がり、
二人の距離も接近していきます。

さて、マリーはチェロ奏者を目指しているのですが、
徐々に視力が低下する病気を抱えていたのです。
けれどもそのことをヴィクトールに打ち明けることができません。
けれど、次第に見えなくなる目のことを隠し通すことはできません。
ヴィクトールはマリーの秘密を守るために自分が利用されていたと知り、
ショックを隠せません・・・。



とにかくこの少年少女二人の恋が可愛らしくて、微笑ましくて・・・。
マリーの目のことはもちろんほのぼのとした話ではありませんけれど。
でもマリーは父親の言うように「施設」に入って、
おそらく「安全な路」を歩もうとはしません。
あくまでも自分の夢を追ってチェロを弾きたいと思う。
完全に失明する前に、家の中や学校までの歩数を数えておいたりする、勇気ある女の子。
魅力的です。



ヴィクトールは母親を亡くしていて、
目下、自動車整備工の父親と二人暮らし。
その父親は思春期のヴィクトールを扱いかねてちょっとオロオロしてしまう。
いつまでも忘れられない妻のことを、ヴィクトールにたしなめられたりするのも、
なかなかステキな父子関係でした。
でもそういうヴィクトールも母親を懐かしむ場面があって、それもすごくいい。


そしてまた、ヴィクトールの友人たちがまたいいのです。
いつもヴィクトールのことをよく見ているちょっと大人っぽいアイカムと、
やんちゃな双子の男の子。
彼らの友情もまたステキだ。



こんなふうに一人ひとりの個性が際立っていて、
紡がれるストーリーのなんと心地よいこと。
ステキな物語でした。



そうそう、マリーが好きでヴィクトールに嫉妬する意地悪な少年役の子が、
キレイな子だったなあ・・・。
こんな役で、残念でした・・・。



<ディノスシネマズにて>
「はじまりのボーイミーツガール」
2016年/フランス/89分
監督:ミシェル・ブジュナー
出演:アリックス・バイロ、ジャン・スタン・デュ・パック、シャルル・ベルリング、パスカル・エルベ
初恋度★★★★★
満足度★★★★☆