映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

キングスマン ゴールデン・サークル

2018年01月24日 | 映画(か行)
残虐シーンは悪趣味・・・、私は笑えない。



* * * * * * * * * *

「キングスマン」の続編ということで見ました。



本作、惜しげもなくどんどん人が死ぬ。
まずは、イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、
謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅。
かろうじて生き残ったのは、今や一人前となったエグジー(タロン・エガートン)と
教官兼メカ担当マーリン(マーク・ストロング)のみ。
2人はキングスマンと同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めようと、
ケンタッキーに向かいます。
するとそこで、前作で死んだと思われたエグジーの師・ハリー(コリン・ファース)と対面する!!



前作はイギリスのギンギンな階級社会スタイル、
そして本作はアメリカのコテコテ西部劇スタイル・・・、
互いにそれはどうなのかと思っているところも含めて、
文化の差異は面白く拝見しました。



それはともかく、残虐シーンがおもちゃのように扱われているのがなんだか引っかかってしまい・・・。
そうそう、前作でも人の頭部が花火のように爆発したりする・・・
そんなエグいシーンがたっぷりあったのを思い出しました。
もともとそういう作品だったか。
ただ、前作はまあそれも良し、ここまでエグければ笑うしかないと思って見たわけですが、
今回また同様なものを見せられて、なんだか悪趣味だなあ・・・
と改めて思ってしまいました。
ド派手なアクションはまあ面白いけれど・・・、
万が一更に続編ができても私はもう見ない・・・かな?



高級スーツはコリン・ファースが身につければカッコイイけれど、
タロン・エガートンが着ても七五三みたいだし・・・。
そうそう、驚くのはジュリアン・ムーアがこんな役で出演していたということ。
ゴールデン・サークルのトップ、というか彼女が作った組織なのですが。
残虐でちょっとクレイジー。
何もこんな作品に出なくても・・・。
エルトン・ジョンが本人役で出演していたのもまた、ビックリ。
そんなわけで、話題性についてはてんこ盛りなんですけどね・・・。



さて、ゴールデン・サークルはつまり麻薬の密売組織なのですが、
その麻薬にある危険な病原体を潜ませます。
麻薬服用者は発病し、放置すると死に至ってしまう。
組織はそれと同時にこの病気に効くワクチンも作り出しており、
薬物を規制する法律を撤廃すれば、直ちにワクチンを配布する、と政府に迫る。
ところが作中の大統領は、
このままにしておけば麻薬常習者も麻薬業者も一掃されて願ったり叶ったり!!
と、密かに要求を拒否の構えでいるのです・・・。
実はここのところ、私も同感だったりして・・・、
ああ、私は人であったのか!
まあ実際、法で禁じられているから麻薬使用は犯罪なのであって、
禁酒法時代なら私も立派に犯罪者。
タバコの喫煙もいまや犯罪扱いに近い。
麻薬というのは盗みや殺人とは少し違いますけどね・・・。



<シネマフロンティアにて>
キングスマン ゴールデン・サークル
2017年/イギリス/140分
監督:マシュー・ボーン
出演:タロン・エガートン、コリン・ファース、マーク・ストロング、ジュリアン・ムーア、ハル・ベリー、チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス、エルトン・ジョン

悪趣味度★★★★★
アクション度★★★★☆
満足度★★.5