映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

スノーデン

2018年01月30日 | 映画(さ行)

職務と正義心の間で

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先に見た「シチズン・フォー スノーデンの暴露」は、
エドワード・スノーデン本人の出演するドキュメンタリー。
スノーデンが香港のホテルの一室で、
アメリカ政府による個人情報監視の実態を暴露するに至る緊張の数日間を描いていました。

 


本作は彼がそのキャリアと幸福な人生を捨て、
世界最強の情報機関に反旗を翻すまでの約10年間を実話に基づいて描きます。
スノーデンに扮するのはジョセフ・ゴードン=レビット。
先のドキュメンタリーを見ていればこそ、その雰囲気が非常によく似ていることがわかります。

 

スノーデンは、9.11同時多発テロの後、テロ防止の役に立ちたいと思い
NSA(国家安全保障局)の仕事についたのですね。
ところが次第にテロの監視というのは名目で、一般市民の個人情報までもを監視、
それは、政府と経済のためのものとなっている現実に気付いていきます。
スノーデンは彼自身の正義心と職務の間で、悩み苦しむようになっていく。
彼のパートナー、リンゼイはリベラルで快活な女性です。
そんな彼女の考え方がスノーデンに影響を及ぼしているというように描かれているのもステキなところです。
もちろん彼は職務上の秘密を彼女に明かしたわけではないのですが。

 

スノーデン自身苦しいので、この仕事を辞めるチャンスは実は幾度かあったわけですが、
しかし、彼が優秀なために、また新たな役割を要請されてしまうのですね。
リンゼイと暮らすための十分な収入も必要ではあった・・・。

 

日本にもいたことがあるというので、また一層身近な気がします。
しかし、日本の米軍基地でもドローンによる爆撃の操作が行われていたようで、それは怖い・・・。 

スイス・日本・ハワイ・・・結局ネットさえ繋がればどこにいても仕事はできてしまう。
ハワイの安楽な生活を捨て、二度と故郷アメリカの地を踏めないことを覚悟しても、
真実を世界に告げようとしたその勇気。
やはり凄いと思います。
先のドキュメンタリーと合わせて、本作もぜひ見るべき作品でした。

 

最後に基地から証拠となるデータをコピーして持ち出すその手段が、
なんともオシャレで、そしてスリリング。
ここのところは創作ではなくて、本当のことなのかしらん? 
だとしたら、凄い!!

スノーデン [DVD]
ジョセフ・ゴードン=レヴィット,シャイリーン・ウッドリー,メリッサ・レオ,ザカリー・クイント
ポニーキャニオン


<WOWOW視聴にて>
「スノーデン」
2016年/アメリカ・ドイツ・フランス/135分
監督:オリバー・ストーン
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、シャイリーン・ウッドリー、メリッサ・レオ、ザッカリー・クイント、トム・ウィルキンソン
緊迫度★★★★☆
満足度★★★.5