映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「だから見るなといったのに」恩田陸他

2018年08月22日 | 本(その他)

禁を破れば一変する世界

だから見るなといったのに: 九つの奇妙な物語 (新潮文庫nex)
恩田 陸,芦沢 央,海猫沢 めろん,織守 きょうや,小林 泰三,澤村 伊智,前川 知大,北村 薫,さやか
新潮社

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あのとき、目をそらしていたら。
でも、もはや手遅れ。
あなたはもとの世界には二度と戻れない。
恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人、
おぞましい秘密を隠した恋人、身の毛もよだつ告白を始める旅の道連れ、そして、自分自身…。
背筋が凍りつく怪談から、不思議と魅惑に満ちた奇譚まで。
作家たちそれぞれの個性が妖しく溶け合った、戦慄のアンソロジー。

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「見るな」と言われれば、余計見たくなるもの。
しかし、その禁止を破れば待っているのは破綻・・・。
そうした話は古今からいろいろありますね。
本巻はそういう短編を集めたアンソロジー。
なかなか興味深い企画です。
9編が収められていますが、著者は・・・

恩田陸、芹沢央、海猫沢めろん、
織守きょうや、さやか、小林泰三、
澤村伊智、前川知大、北村薫。

恥ずかしながら私は、最初と最後の大御所しか存じませんで・・・。
まあ、こういう機会に未知の方を読むのもいいですよね。

そもそもこうしたストーリーというのは、
秘密を持つものとその秘密を知りたいと思うもの、
2者の緊張関係が拮抗している間は平穏で、
その秘密が明かされたときに不条理に世界が一変する・・・そういう構造なのだと思います。
でも残念ながら私のそうした期待に答えてくれる作品はありませんでした。
起承転結でいえば面白いものはありつつも、
私の期待値が高すぎたというか・・・。
このテーマのくくりでないところで読んだほうが面白いと感じたかもしれません。

「だから見るなといったのに」恩田陸他 新潮文庫
満足度★★☆☆☆