「女」が怖い・・・
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長谷川家の次男・薫(北村匠海)が、年末に実家に帰ってきます。
戻る気はなかったのですが、家出していた父(永瀬正敏)が戻ると聞いたので。
母(寺島しのぶ)と妹・美貴(小松菜奈)、久しぶりに家族4人がそろったのですが、
ぎこちなく会話も弾みません。
それというのも、かつてこの家にいた長男・一(ハジメ)(吉沢亮)が、今はもういないのです。
薫は3人兄弟がまだ子どもの頃、
この家の愛犬・さくらを迎えた頃からのことを回想します・・・。
本作の題名、「さくら」は、犬の名前。
結局この家族をつなぎ止めたのは、このさくらなのかもしれません。
本作の原作は西加奈子さん。
私、本作を見て確信しましたが、西加奈子さんの描く「女」は怖いのです。
すごく個性的でエキセントリック。
良くも悪くも「凄い」。
その情念が、あまりにも強いので、時に私は引いてしまうのです。
はっきり言ってこういう女たちを私は苦手・・・。
本作中でもいちばん問題なのは、やはりこの美貴なのだろうなあ・・・。
彼女は、兄・一を愛してしまっていた。
いや、そりゃ家にこんなステキなにいちゃんズがいれば、
よそのそこらの男なんか目に入らない、というのには凄く説得力がありますけれど・・・。
彼女のこの異常な思いがなければ、もしかしたら一も、
あんなことにはならなかったのかも・・・と思えてしまいます。
スポーツマンでイケメンで明るくて・・・、薫の自慢でもあった兄。
彼は
「神さまがあまりにもひどい悪送球を投げてくるから、
自分には受けとめることができない」
と言うのです。
このたとえには凄く説得力がある。
心を揺さぶられるドラマでした。
さくらを演じたワンちゃんが、素晴らしかった。
かわゆいです!!
さて、ここまで映画館で見た後で、札幌市で不要不急の外出自粛要請が出ました。
「感染リスクを避けることができない場合」という条件付きではありますが。
映画館は感染防止対策が取られているので、リスクは避けることができるはず。
だから、行ってもイイよということなのだろうと思います。
しかし何でしょう、この回りくどい、歯にものの挟まったような言い様は・・・。
つまりは、責任逃れですよね。
そう言わざるを得ない、苦しい胸の内もわからないではありませんが。
結局は自己責任ということか。
とりあえず、自粛要請が撤回されるまで、映画館行きはお休みにします・・・。
映画館は大丈夫だと思いますが、バスや地下鉄に乗ったりカフェに入ったりもするわけなので・・・。
いい年したおばちゃんが、調子に乗って街に出て感染でもしたら目も当てられない・・・。
一応11月27日までとなっているようですが、延長される可能性大・・・。
見たい作品がたくさんあるんだけどなあ・・・
<シネマフロンティアにて>
「さくら」
2020年/日本/119分
監督:矢崎仁司
原作:西加奈子
出演:北村巧、吉沢亮、小松菜奈、寺島しのぶ、永瀬正敏
家族愛度★★★★☆
残酷な運命度★★★★★
満足度★★★★☆