映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

インスタント沼

2020年11月26日 | 映画(あ行)

展開が読めなくて、ワクワク

* * * * * * * * * * * *

担当雑誌が廃刊となり、出版社を辞めた沈丁花ハナメ(麻生久美子)。
ジリ貧人生をやり直そうと思っていた矢先、
自分の父親が沈丁花ノブロウという見知らぬ男だと記された手紙を発見します。
事実を確かめようと手紙の住所を訪ねると、
そこには「電球」と名乗る骨董屋の店主(風間杜夫)がいました・・・。

何がどうなるものやら、全く予測のつかないストーリー展開。
面白い!!

ハナメはよく母から「見えないものを信じる心がない」と言われていました。
母は庭に時々河童がいるというのですが、
ハナメは馬鹿馬鹿しいと一蹴。
幽霊だって信じません。

 

そんなハナメが、骨董屋になる話・・・と、端的に言えばそういうことなのです。
でも、彼女は古くて由緒ある高価なものを扱おうとはしない。
一見くだらなさそうな古いものでも、
そこに何かしら人の「思い」や「思い入れ」が感じられるようなもの・・・、
そういった目に見えないものの大切さに彼女は気づいていくから。

代々沈丁花家に伝わる「蔵」の鍵をノブロウから受け継ぎ、
いよいよ蔵を開けるとき・・・。
中に何があったのかは、お楽しみ。
でもそこがおわりではなくて、そこからがまた一波乱。
全く、うまいストーリー運びです。

しかし、なんでこんなストーリーを思いつくのか、
あきれると同時に感心してしまいます。

パンクスタイルで登場するカナメの友人・ガス(加瀬亮)がまた、いいのですよ。
パンクの加瀬亮さんなんて、ここでしか見られない。
電気屋なのにガス。
イカしてます♡

<Amazonプライムビデオにて>

2009年/日本/120分

監督・脚本:三木聡

出演:麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、相田翔子、松坂慶子

 

予測不能度★★★★★

満足度★★★★.5