史上最高齢の金庫破り集団
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2015年に実際に起こった事件の映画化です。
英国史上最高齢かつ最高額の金庫破り集団として、世界を驚かせた窃盗事件。
かつて、泥棒の王(キング・オブ・シーヴズ)と呼ばれたブライアン(マイケル・ケイン)。
裏社会から身を引き、妻と穏やかな日々を送っていました。
ところが妻が亡くなり、空虚な心を持て余しています。
そんなところに、知人・バジル(チャーリー・コックス)から、
ある窃盗計画を持ちかけられます。
ロンドン随一の宝飾店街「ハットンガーデン」の貸金庫から
現金や宝石、金塊などを盗みだそうと言うのです。
その気になったブライアンは犯罪家業に復帰することに。
かつての悪友たちを呼び集め、平均60歳オーバーの窃盗団を結成。
唯一若いバジルが、電気機械関係を受け持ちます。
誰もが若い頃の夢をもう一度・・・という感じで
気持ちだけははやるのですが、とにかくもうご老体。
トイレは近いし、耳は遠い、糖尿病だったりもする・・・。
連休中を狙って忍び入った場所は、警報装置さえ切れば、ほとんど誰も寄りつきません。
作業が長引き、二夜を要してしまいます。
しかも、その一日目が過ぎたところで意見が合わず、
リーダー格のブライアンが抜けることになってしまいます。
それでも二日目には成功し、大金と宝石類を手に入れた彼ら。
ところがねえ・・・、お定まりの仲間割れです。
ブライアンがいなければ、宝石をさばくルートが分からない。
そして警察もバカではない。
犯人像を割と早く割り出して、犯人たちを一網打尽にすべく尾行したり盗聴器をつけたり。
なかなかやりますな。
フィクションとしてのドラマなら、こんな警察の罠もくぐり抜けて・・・
ということになるのでしょうけれど。
結局、いかにも仲よさげに結集した窃盗団ではありますが、しょせん盗人。
エゴ丸出しでお宝は自分のものにしたい・・・。
いやあ、自分たちの歳を考えたら、残りの人生お金はそんなに必要じゃないのでは?
と、私なら思ってしまいますけれどね。
ともあれ、イギリスの名俳優の競演を楽しく見ました。
<WOWOW視聴にて>
「キング・オブ・シーヴズ」
2018年/イギリス/108分
監督:ジェームズ・マーシュ
出演:マイケル・ケイン、ジム・ブロードベント、トム・コートネイ、チャーリー・コックス、
ポール・ホワイトハウス、マイケル・ガンボン、レイ・ウィンストン
窃盗計画度★★★★★
年寄りの冷や水度★★★★★
満足度★★★☆☆