想像か?、現実か?
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黒木華さんと柄本佑さんが夫婦役、というところに興味を引かれました。
早川佐和子(黒木華)と早川俊夫(柄本佑)は、漫画家夫婦なのですが、
俊夫の方はもう何年も新作を描いていません。
妻の作品のアシスタントを務めるばかり。
そんなある日、妻佐和子が描き始めた新作のネームを俊夫が目にします。
そこには自分たちとよく似た夫婦が描かれています。
そして、佐和子の編集者である桜田(奈緒)と俊夫と思われる
二人の大胆な浮気のシーンが。
ムチャクチャ心当たりのある俊夫はドッキリ。
そしてさらにその上、佐和子と彼女が通っている自動車教習所の若きイケメン先生の
「恋」らしきものが・・・。
これは妻の全くの想像の物語なのか、
それとも現実をそのままなぞったものなのか、
はたまた、妻が浮気をした自分への復讐なのか・・・?
思い悩んでしまう、俊夫。
この表題の「先生」というのは、佐和子から見て、
漫画の師でもある夫・俊夫を指すものなのか、
それとも、自動車教習所の教師・新谷(金子大地)を指すものなのなのか。
つまりはそこが問題なのであります。
佐和子はなかなか自分の思いを口に出すことをしない人物。
ちょっとめんどくさい。
その彼女が、夫が見ることを想定してこのネームは描かれていますよね。
和佐子は夫のことを嫌いではない。
そこそこ優しいし、自分のことを大事にしてくれている。
そして彼女は、自分が漫画家になるきっかけを作ってくれた夫の才能を信じているので、
自分の作品を描いて欲しいという思いもあるのです。
けれど、そんな夫が浮気をしている現場を見てしまった・・・!
彼女の心の葛藤は、作中では語られないのです。
私たちは俊夫と共にオロオロするのみ。
そして最後に、ハッピーエンドに向かったように見えるのですが・・・!
そんなに甘い話じゃありませんでした~。
夫の裏切りを許せるのかどうか、それは個々の女性によっていろいろでしょうね。
でもつまりはその裏切りをなかったかのようにそのまま共に過ごせるのか、
それとも忘れられる訳がないので別れるしかないと思うのか、
そういう選択の問題なのだと思います。
もうここに至っては、夫自身が何をしようと関係ない・・・。
不倫は、そういう覚悟がないのなら、よした方がいいですね・・・。
<シネマフロンティアにて>
「先生、私の隣に座っていただけませんか?」
2021年/日本/119分
監督・脚本:堀江貴大
出演:黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、風吹ジュン
疑惑度★★★★★
満足度★★★.5
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