セーヌ川に浮かぶ、デイケアセンター
* * * * * * * * * * * *
ドキュメンタリー映画です。
パリ、セーヌ川に浮かぶ木造建築の施設。
船になぞらえて「アダマン号」と名付けられています。
ここは、精神疾患のある人々のデイケアセンター。
文化活動を通じて、彼らの支えとなる時間と空間を提供しています。
彼らが社会と再びつながりを持てるようサポートしているのです。
そこでは訪れる人々の自主性を重んじ、
絵画や音楽、詩など、各々が自らを表現。
そして看護師や職員らが患者たちに寄り添い続けます。
ともすると精神疾患を持つ人々の病棟というと、
閉鎖的で陰鬱なイメージがありますが、ここは明るく開放的。
もちろんある程度一般社会になじめる人を対象としているのでしょうけれど、
時には暴力的な発作を抑える薬を用いながら、
極力一般社会になじめるように、自分らしさを保ちながら、
生きる力を得ることができる・・・そんな場所のようです。
ここを訪れる人々は、これまでの人生の大半をこの病のために
つらい思いで過ごしてきた人々がほとんど。
周囲の人に気味悪がられたり恐れられたり・・・。
そんな彼らが、安心して居られる場所。
そして時にはワークショップを開いて、一般の人々との交流も行います。
多分私たちはこうした人々のことをよく知らないから恐れているのでしょうね。
彼らのことを知れば、ちょっと変わった友人として付き合っていくことは十分可能です。
こんな場所が街角の所々にある、そんな世の中になれば良いなと思います。
<WOWOW視聴にて>
「アダマン号に乗って」
2023年/フランス・日本/109分
監督:ニコラ・フィリベ-ル
解放度★★★★☆
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます