映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「ハトシェプスト 古代エジプト王朝唯一人の女ファラオ」山岸凉子

2020年02月27日 | コミックス

デビュー50周年トークショー収録

 

 

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古代エジプト唯一人の女の王「ハトシェプスト」はいかにして生まれたのか?
その妖しく危険な魅力に惹かれる醜いメヌウには、
全てが正反対の美しい妹がいた(表題作)。
死者を蘇らせる異能の力と引き換えに若さを失っていく女の報われぬ愛を描いた「イシス」。
山岸凉子初のトークショー完全載録の永久保存版。

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山岸凉子さん作品はほとんど読んでいるつもりですが、
この古代エジプトものは未読でしたので、このたび拝見。
しかし文庫サイズのコミックはやはりキビシイ・・・。
字が小さすぎる・・・。
ハズキルーペの購入を本気で考え始めました・・・。

 

さて本巻には、古代エジプト王朝で唯一女性ファラオとなったハトシェプストに関連する2編と、
人の傷を癒やす力を持った「イシス」の3編が収められています。
人を超越した特殊な能力を持ちながら、
しかし自分が本当に欲しいものを手に入れることはできない・・・
そうした人物を描くのに、山岸凉子さんは特に力量を発揮するような気がします。
本作にも、そんな女性が登場。
良き物語です。


ところで実のところ私は本巻、このマンガ本体よりも、
山岸凉子さんのデビュー50周年トークショーの記録が収められていることの方がうれしかった!!
2019年10月6日に山岸氏の生誕地、北海道上砂川町で行われたもの。
幼少の頃の話やデビューから50年の作品を振り返っての話、
ファンなら聞き逃せない話の数々。
ここで、読むことができたのは実にウレシイ!!


蛇足ではありますが、私が山岸作品の仲で一番好きなのは「日出処の天子」。
これはもう日本の少女漫画の最高峰と思っております。
(もっとも、最近のコミックは読んでいないわけだから、あくまでも個人の感想ね)
そういえばこれも、人を超越した能力を持ちながら、
本当に望むものは得られない、と言う話でしたねえ・・・。

「ハトシェプスト 古代エジプト王朝唯一人の女ファラオ」山岸凉子 文春文庫
満足度★★★★☆

 



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