映画と本の『たんぽぽ館』

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殺さない彼と死なない彼女

2021年01月18日 | 映画(か行)

あなどれない

* * * * * * * * * * * *

SNS上の漫画家・世紀末さんのコミックを原作としています。

何にも興味を持てず、退屈な日々を送る男子高校生・小坂れい(間宮祥太朗)。
そんな彼が、教室で殺されたハチの死骸を埋めているクラスメイト
鹿野なな(桜井日奈子)に興味を持ちます。
本音で憎まれ口をたたき合う二人ですが、
いつしか二人で過ごすことが当たり前に・・・。

れいは「殺すぞ」というのが口癖。
人に何か言われて少しでも気に入らないことならすぐに「殺すぞ」と返します。
一方ななは、ネガティブで、リストカット常習犯。
口癖は「死にたい」。
「殺す」「死にたい」とすぐに口にする二人ですが、
実際は「殺さない」し、「死なない」。
だからこういう題名なんですね。
なるほど、しゃれています。

本作はこの二人が、少しずつ心を接近させていく様子と、
恋をしては破れるきゃぴ子、きゃぴ子を見守る地味子の二人、
そして冷静沈着な男子・八千代と、彼に「好きよ・好きよ」といつもまとわりつく
撫子の二人のことも平行して描かれます。

変に多感な高校生男女の群像劇???と思いながら見ていたのですが、
終盤、驚きの展開がありました。

驚愕の出来事、そして、時間軸のずれ。
ぼんやり見ていると足下をすくわれる感じの、あなどれない一作なのでした。

ところで、少女たちのセリフに少し引っかかりが・・・
というか本作に限らないのですが、
女言葉として「~わ」「~わよ」「~よ」と語尾に付くことがありますが、
道外の方は本当に日常会話でそのような言葉使いをしているのでしょうか?
私はがさつな北海道生まれ・育ちなので、
日常生活で女性がそんな言葉使いをするのを聞いたことがありません。
本作は女子高生がはすっぱな言葉使いと、この女言葉を取り混ぜて使うのが
どうにも違和感があって、いちいち気になって仕方ありませんでした。

今時女言葉を使うのは「おネエ」くらいなのでは?と思っていたもので・・・。

どうなのでしょう・・・。

<WOWOW視聴にて>

「殺さない彼と死なない彼女」

2019年/日本/123分

監督・脚本:小林啓一

原作:世紀末

出演:間宮祥太朗、桜井日奈子、恒松祐理、堀田真由、ゆうたろう

驚きの展開度★★★★★

満足度★★★★☆

 



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