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トム・クルーズも真っ青
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この作品は、オードリーらしい、おしゃれなコメディです。
シャルル・ボネは裕福な名家の当主で、美術愛好家。
・・・しかし、実は贋作の天才。
隠し部屋でひそかに贋作を描き上げては悦に入っている。
時々はその贋作を競売にかけたりもして・・・。
一人娘のニコル(オードリー・ヘップバーン)は、
こんな父が心配で仕方がない。
ある日、美術館に贋作のビーナス像を貸し出したのですが、
保険にかけるために鑑定を行うことになり、進退窮まってしまう。
そこで、ニコルが目をつけたのは、
以前ボネ家に泥棒に忍び込んだシモン・デルモット。
彼の手を借りて、美術館からビーナス像を盗み出すことにします。
つまり、自分の家の持ち物をわざわざ盗み出すという、
いかにも皮肉な顛末が楽しいですね
ビーナス像の周囲には赤外線が張り巡らされており、
そこをよぎるとたちまち大音響の警報が鳴り響き、警察が飛んでくる、
という仕組み。
され、これをどうやって盗み出すのか。
意外にもこれは人の心理をついた、心憎い方法でした。
MIシリーズのトム・クルーズも真っ青。
そういうシステムのスキをつく力業ではないところがまた、
時代色もあるかも知れませんが、
なんだかほんのりしていていいなあ・・・と感じました。
しかし、これだけ贋作がうまければ、
始めから贋作とうたっておいても、結構売れそうですが・・・。
まあ、この場合、お金儲けではなく、単に趣味ですけれど。
この原題はHow to Steal a Milion。
邦題の「おしゃれ泥棒」はちょっと違うのですが、
でも、オードリーの持ち味を生かしたしゃれた題名ですね。
近頃こういう工夫のある邦題は、とても少なくなりました。
オードリーは、マイフェアレディのイモ娘を演じても面白いですが、
やはりこのように
どこか気品に満ちてリッチ、
はかなげだけれど、元気。
こういう形が最も映えます。
まさに、永遠の妖精です。
1966年/アメリカ/125分
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:オードリー・ヘップバーン、ピーター・オトゥール、イーライ・ウォラック、ヒュー・グリフィス
はかなげだけれど、元気。
この表現、まさに、自分がもってるオードリーのイメージです。
うまい表現だなぁ!
さすが、たんぽぽさんです。
改めて考えてみれば、こういうのはある種、男性の憧れ像の一つなのでしょうね。
そしてこれは、女性から見てもまた、素敵だなあ・・・と、思えるのです。
そこがオードリーの人気の秘訣なのかも知れませんね。