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唯一残されていた明かり
* * * * * * *
これはブロードウェイ舞台劇の映画化です。
スージーの住む家の中のシーンがほとんどなので、
舞台劇、というのは容易に想像がつきます。
オードリーの演じるスージーは盲目の女性。
夫マイクと共に住んでいます。
ある日夫が旅行中、
飛行機の中で知り合った女性から人形を預かる。
ところがそれは麻薬が仕込まれた人形。
その人形を取り戻すために、悪党たちが家に侵入してくるのです。
おりしも夫は留守。
さっさと人形を返してしまえばいい訳なのですが、
その人形がなぜか見つからない。
この危機をスージーはいかに乗り切るのか・・・。
この作品は私が中学校の頃TVで見たのだと思います。
あの、淀川長治さんの日曜洋画劇場ですね。
その解説でなぜか覚えているところがあるのですが、
それが、
「男たちの動きを封じようと、彼女は部屋中の電気を消すんですね。
盲目の彼女は明かりがなくても平気。
さあ、思いつく明かりはすべて消しました。
ところが、たった一つ、消してなかったところがあるんですね。
それがなんと冷蔵庫。
盲点ですね~。
冷蔵庫の扉を開けると、うす青い明かりが部屋を照らすんです。
すっかり見えてしまっているんですね。
怖いですね~。」
・・・・というような感じ。
おお、その記憶の正しさをこのたび確認しました。
か弱い盲目の女性が1人、3人の悪党たちと対峙するのです。
彼らは初め巧みに彼女をだまして、人形のありかを口にさせようとする。
こんな女性をだますのはわけもないと思っているのですね。
ところが、彼女は盲目ゆえに人並み以上に気配に敏感で鋭いのです。
見えないのをいいことに、
彼らは彼女のいるそばで、
部屋のブラインドを開け閉めして外の仲間に合図を送ったり、
階段の手すりを拭いて指紋を消したりするのですが、
彼女にはすべてわかっている。
「あの人たちはどうして、何度もブラインドを開け閉めしていたのでしょう・・・。」
「部屋が汚れているんでしょうか。あの人は階段の手すりを拭いていました・・・。」
頭の良いスージーが、次第に彼らの嘘を追い詰めていくんですね。
しかし、ついに彼らは逆切れして・・・!
まあ、今時の映画からするとスリル・サスペンス度はそこそこですが、
悪党の1人は結構憎めない奴だったりして、
なかなかの人間ドラマでもあります。
また、この家に出入りしてスージーの手助けをしている少女、
グローリアの存在も重要です。
初め、スージーはこの子を苦手に思っているんです。
どうも、意地悪をされているような気がする。
けれど、この子のために事件はおこり、この子のために事件は収まる、
そうもいえますね。
彼女の真っ赤なセーターが印象的。
1967年/アメリカ/
監督:テレンス・ヤング、
出演:オードリー・ヘップバーン、エフレム・ジンバリスト・ジュニア、アラン・アーキン、リチャード・クレンナ
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