映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

川の底からこんにちは

2011年05月04日 | 映画(か行)
開き直った時の強さがまぶしい!



        * * * * * * * *

上京して5年。
なんの目標があるわけでもなし、毎日をただダラダラと過ごすOL佐和子。
そんな彼女が、父の末期がんの知らせを受け、
実家のしじみ工場を継ぐために故郷へ帰ります。
しかしそれとて、やりたくてやるわけではなく、しかたなく・・・。
しかも付き合っていたバツイチの子連れ男までついてきた・・・。
工場で働く口さがないおばちゃんたちは
「5年前駆け落ちして出ていったくせに、捨てられてかえってきた」
と手厳しい。
しかも、ついてきた男を友人に盗られたりする。
さらに、しじみ工場は倒産寸前。
さて・・・・。


佐和子は自分自身どうしようもなくだめなヤツと自覚しています。
いつでも「しょうがない・・・」がくちぐせ。
それは、すべてに投げやりで、自分で前進しようという意欲がない
ということではあるのですが、
あるとき彼女はそこから開き直るのです。

所詮、わたしもあなたもダメ人間。
がんばらないとしょうがないじゃないの!!
と。

開き直った彼女はたくましい。
ほんと、見ていて気持ちがいいです。
結局彼女の投げやり、自信のなさは
母を早くに亡くしたことに起因するのが見えてきますね。
だから、連れ子のオンナノコとはどこか通じるところがある。
この二人、ろくに会話もなくシラケムードが漂っているくせに、
次第に心が接近していく様子もなかなかいい。

何もかもどうしようもない・・・と、いったん覚悟を決めて、開き直って再出発。
このたくましさが今まぶしい。



佐和子役の満島ひかりさんの、
無感動・やる気なしの演技がステキです。
そこでやる気を出したときの変貌が光りますね。
監督は新鋭期待の星、石井裕也。
なんと、この作品がきっかけでお二人は結婚したのだとか・・・。
いやはや、でも解ります。
ほんと、満島ひかりさん、魅力的でしたもん。

川の底からこんにちは [DVD]
石井裕也
紀伊國屋書店


「川の底からこんにちは」
2009年/日本/112分
監督・脚本:石井裕也
出演:満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、志賀廣太郎


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
満島さん (こに)
2011-05-05 10:55:51
クフィオ大佐で初めて知りましたが不思議な魅力がありますよね
これも満島さんにピッタリの役だと思います
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Unknown (たんぽぽ)
2011-05-06 20:21:27
>こにさま
満島さん、本当にステキでした。
無感動・やる気なし。
誰にでもできそうな気がしますが、実は難しいですよね。
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