類の内心に注目!
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”親を選べなかった子供”がもう一人・・・
山間の小さな温泉町の老舗旅館で湯守見習いとして働く青年・和樹(かずき)は、
友人たちや大女将の孫娘・妙(たえ)とともに
様々な大人たちと関わりながら過ごしている。
ある日、東京の大学に進学しそのまま就職した「まーこ姉ちゃん」が帰ってきて・・・?
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待ってました!「詩歌川百景」第2弾。
前巻で、この小さな温泉町の老舗旅館で湯守見習いとして働く和樹と、
その周囲の人々のおよその人となりや関係性が表わされました。
そして2巻目の本作は、いよいよ1人ずつの内面に踏み込んでいきます。
和樹が最も親しくしている友人は、
2人合わせて「森林組合」と呼ばれる森野剛と林田類。
剛は、幼なじみである妙のことが好きで、告白すべきかどうか迷っています。
類はぜひ告白すべきと焚きつける。
でも、和樹はもしかすると類も妙のことが好きなのでは?と思う。
いやいやいや、この展開はどうなのか、と思いますよね。
だって、どう見ても本作としては妙と和樹がいい感じになりそうに思う。
これが三角関係ならぬ四角関係になってしまったら、
いくら何でもやり過ぎではないの!
・・・ところがです。
本巻の最終ページで、やられた!と思います。
勘の良い方なら気づいたでしょうか。
私はそこまで思い至りませんでした。
成績優秀な類が、大学進学を止めてまでこの町に残った理由。
そして自分の思いは決して本人に告げないと決めている理由。
なんとも切ないではありませんか・・・!
ぐっと、この先が楽しみになってきました。
そして妙はやはり和樹が好きなのだと思います。
いつも和樹に対しては上から目線の物言いになってしまうのは、
きっとあれですよね。
好きな子をついいじめてしまうというガキ大将的な・・・。
でも和樹がそうした思いに気づくのはもう少し先のことになりそうです。
今は、仕事を覚えるのに精一杯。
そして今回新たに登場したのは、まーこ姉ちゃんこと、摩耶子。
えーと、妙にとってはイトコということになりますか。
彼女もまた、毒母から逃れるのに苦労し、
他の人よりも一層自立心が芽生えたクチのようです。
私は、こういう人物が好き♡
というわけで、次巻まで、また首を長~くして待つことにしましょう。
「詩歌川百景 2」吉田秋生 フラワーズコミックス
満足度★★★★★
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