映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

オズランド 笑顔の魔法おしえます。

2018年11月02日 | 西島秀俊

呼び捨てはやめろよ、キュンとすんだろ

* * * * * * * * * *

さて、久しぶり~と言いたいけど、この間出番があったばっかりだね。
西島秀俊さんは「散り椿」と並行して本作の撮影に出ていたのかしらん。
全然違う役で大変だねえ。
うん、そもそもここの小塚は今までの西島さんの役柄とも違うしね。えーと、ストーリーは・・・

超一流のホテルチェーンに就職しながら、系列の地方遊園地に配属された波平久瑠美(波瑠)。
それそれ、その名前。
 先に何かであらすじの紹介を読んだ時に、「なみへい」と読めてしまって、
 ついサザエさんのお父さんを思い出しちゃって。
 なんで波瑠さんが男役?という違和感。
そしたら、本当は「なみひら」と読むのだった。
しかし、久瑠美は皆から「なみへい」さんと呼ばれてしまい、面白くない。
 ま、そういう名前のエピソードはうまく働いているよね。
さて、久瑠美は彼氏(中村倫也)とは遠距離になってしまうし、嫌々ながら熊本の遊園地に赴任。
 そこで、これまで数々の企画を成功させ「魔法使い」などと呼ばれるスーパー社員小塚(西島秀俊)や
 個性的すぎる従業員たちと出会うことになる・・・。
 つまりは、これは久瑠美の職業人としての成長物語なのだな。



そうなんだけどねえ・・・。
あれ?なにか言いたげだね。
なんというか、出てくるのはいい人ばかりで、メリハリがないというか盛り上がりに欠けるというか、
 どこに感動して良いものやらよくわからない作品だった・・・。
 一応危機感を煽るシーンはあるにはあったのだけど、それが全然緊迫感がなかった。
まあ、そこはあとで考えれば緊迫感が出ないのが当たり前のシーンではあったのだけれどね。
いや、そうだとしても、視聴者を騙さなければ意味がないじゃない。
 あの、空から無数に風船が降ってくるシーンは確かにメルヘンチックでステキだったけどね・・・、
 見どころはそこと花火のシーンだけ。
たはは・・・、サンザンだね。
 でも、西島秀俊さんは?



いつもとは違うなんだか軽くてヘラヘラした感じ。
 でもほら、あのTV宣伝でも流していたセリフ
 「呼び捨てはやめろよ、キュンとすんだろ」
 はやっぱり良いわ~。
 そんなこと言われたらこっちのほうがもっとキュンキュンしちゃう~。
でね、本作はもうちょっとこの小塚がどういう人間なのか、というあたりを掘り下げてほしかったと思う。
 おちゃらけているようで、実はちゃんと考えているでしょ。
 どういう経緯でここに流れ着いたのかとか、家族のこととか(多分バツイチっぽい)、
 もう少し厚みを感じさせてくれれば・・・。

私が思うに本作はTVドラマでやるべきだったのでは?
 一話ずつ遊園地でなにか事件が起こるのを解決していくのよ。
 その合間に小塚の過去と、久瑠美の恋の話を織り交ぜて。
 スタッフたちのことももっと詳しく知りたいしね。


せっかく登場した中村倫也さんだったけど、サンザンな役だったね・・・
私しゃ、彼の声が好きだわ~。


<ユナイテッド・シネマにて>

「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」
2018年/日本/105分
監督:波多野貴文
原作:小森陽一
出演:波瑠、西島秀俊、岡山天音、中村倫也、橋本愛、柄本明
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★.5



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