ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

照明プランで日が暮れた。

2007-01-17 22:56:43 | インポート

 今日は一日、舞台照明プランを考えてました。学校で!えっ、そんなの許されるのか?許されるのです、今回の場合。何故なら、2月3日(土)に行われる生徒活動発表会:『来て!見て!元気・置農!!』の舞台照明だからです。力入ってますからね。校長直々の発案で、二年越しで実現した企画ですから。

 今、農業高校は大変なんですよ。なんたって、政治家や財界は農業つぶしにやっきだし、親はまるで自信を失って農家の後継ぐなって長男に当たり散らす時代ですから。ちょっとでも油断すると定員割れ、それ、統廃合っていう崖っぷちに立たされてるわけですよ。だからみんな生き残りのために必死です。様々な生徒の活動で成果を上げるだけじゃダメ。それを地域や中学校にアピールしなけりゃ意味がない。ってわけで、この発表会になったわけ。ですから、ある者はポスター作りにかかり切り、ある者は発表の稽古に没頭、そして、我が演劇部はと言えば、15分間のダンス&コントの創作舞台と、当日の裏方一切取り仕切ることになってます。

 で、私は創作舞台の制作と全体の照明プランの立案を仰せつかったということなんですね。本番は、午後1時から4時までの3時間。フレンドリープラザを借りているのは一日だけ。つまり、客入れの12時半までに仕込みとリハーサルすべてを終わらせなくちゃならないわけで、これは、もう、生徒じゃないけど、『無理!』のひと言。だから、照明なんて、適当に点けときゃいいんだよ、とは絶対に行かないのが、困りものの私なんです。

 たった15分の舞台でも、あっ、そうそう、吹奏楽部の演奏もあるので30分かな、せっかくホールの照明いじれるなら、目一杯やっちゃおうと、考えること5時間。どうにか、仕込み図だけは完成させました。明日はフェーダー表作って、照明の当たり図書いて、う~ん明日も一日、照明でくれるなぁ。いいのかぁ?授業の方は。

 それにしても、照明ってほんと、楽しいんですよ。頭の中で舞台上の各シーンを思い浮かべながら、上から横から斜めから光を当てて、役者達を浮き立たせていく。すべて頭の中の作業ですからね、自分の想像力がずばり試されます。まっ、私は専門的な教育を受けたわけでなし、まったくの見よう見まねなので、作れる明かりなんて、たかが知れてますけど、でも、思い描いた照明プランが予想通り、いいや、それ以上に舞台を輝かした時なんか、もう、嬉しくて叫びたくなります。舞台の稽古でさえ、照明が作業灯から舞台照明に変わった途端に、おおー!って感じですからね。もし、許されるものなら、本格的な照明の勉強をしてみたいって、心から思ってます。

 と、いうことで、今回のプランは吹奏楽部には2曲別々の明かりを、そして、演劇部にはダンス+コント5本=6種類の明かりを作ってしまいました。ああ、だめだ!照明担当のミカの恨めし顔が浮かんできた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劇団菜の花座新年会でした。

2007-01-14 22:56:15 | インポート

 菜の花座の新年会でした。劇団って、同年代のメンバーが集まって結成することが多いけど、菜の花座は、ちょっと異質。十代から六十代までいるからね。職場以外でこういう多様な年齢層の集まりって、少ないのじゃないだろうか。最近は、気のあったもの同士、小さくつるむのがお定まりだから、なおのこと、菜の花座のこの多世代交流型組織はとっても貴重だと思う。

 ただ、年齢層にいくつかの固まりがあるのが、少し残念。今日、集まったメンバーで言うと、まず、20代前半が一つのグループ、次に20代後半が3人ほどいて、50代が数人。それに、圧倒的な女性上位。これって、今の日本の文化状況を如実に物語っているよね。30代、40代は、仕事でも家庭でも追いまくられて、文化や芸術とおよそ無縁。仕事的には最後のステージを迎えた50代が元気を盛り返す。そして、女が元気。まあ、こんな状況も悪くはないのだけれど、やっぱり、ちょっと異常だ。あっ、そうそう、20代後半の3人がすべて教員っていうのも、なんかすっごく含蓄がある。日本社会ってまだまだ成熟していないっていうのが実感だ。

 それはともかく、偏りはあっても幅広い世代が集まったこの集団、本当に貴重だと思う。こんな集まりが、各地でぽっぽっと生まれてくると、今の日本もきっといい方に変わっていくのじゃないだろうか。だって、今の時代って、断絶、隔絶、お互いに背を向けあって暮らしてるって感じだからね。年寄りは、若者が理解できないって嘆いているし、若者は若者で、年寄りなんか、見向きもしない。それぞれの良さを互いに認め合っていく、っていうゆとりをまったく失っているのが、今の時代だからね。

 いや、そうじゃないかな。日本では、これまで、若者と目上の人間とが対等に結び合うって関係が無かったのかもしれない。先輩は常に見習うもの、教えを乞うものっていう前提が濃密に支配していたんじゃないかな。仮に尊敬できない上役でも、表面上は立てなきゃなんない。それをいいことに年寄りが、先輩風を吹かす。儒教的伝統ってものかもしれないが、これは若い世代からすれぱ、やってられないよってことなんだ。だから、そんなもん知るか、って、若い連中が一斉にそっぽ向いて、古き良き(?)伝統が急速に壊れていったんだ。そして、とことん行き着くところまで行ってしまったのが、今の日本なんじゃないだろうか。だから、今、若者は、徹底的に年寄り不信。そして、年寄りはただひたすら「今どきの若いもんは!」って嘆き続ける。これが、今の時代なんだと思う。

 でもね、こんな不毛な敵対関係を乗り越えて行かなくちゃならない時に来てるんだと思うんだ。お互いが、それぞれの持ち味を尊重しあって、補いあっていく、そんな世代間の信頼関係を新たに築く時に来ているんだと思う。で、そういう流れから言うなら、菜の花座は時代の先端を走りつつあるのかもしれない、って、これはかなりオーバーか。でも、異世代ごった煮の創造集団が様々な局面でいろんな力を発揮するのは間違いないところだと思う。と、手前褒め、したところで、この文章はおしまい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コント台本、公開しちゃお!

2007-01-13 21:25:03 | インポート

 置賜農業高校演劇部、次回一般公演は、コントとダンスのステージだ。コントは、「さがしものは何ですか」をテーマに5本。やっと第四話まで完成。

書きながら、これいいじゃない、いけるよこれって、自画自賛しきり。そこで公演前に特別公開。読んでみてくださいよ。でも、もし、上演するなら、ご一報!

 第四話『入れ歯・老眼鏡・棺桶』

        舞台中央に棺桶が置かれている。しかし、それは飾りもなく、ただの箱にしか見えない。婆ちゃんが何か一生懸命捜し物をしている。どうやら話し方から、探しているのは入れ歯らしい。

婆ちゃん  まったく、どこにやっちまったんだかね。入れ歯が無くちゃ、なんも     できゃしないよ。話すんだって、こんな風にふがふがだし。恥ずかしいったらないよ、まったく。隣の源さんに見られたら、もう、あたしゃ死ぬに死ねないよ。源さんあたしにほの字なのにさ。ああ、もう、どこに行っちまったのかね。腹へってたまんないよ。もう二日も何も食べてないだからね。まったく、嫁の奴ときたら、「お婆ちゃん、さっきご飯食べたでしょ。」なんて、人のこと呆け扱いして。あたしゃちゃーんと知ってんだ。ああ言って、二日に一度しか食べさせてくれてないんだ。本当だよ。年寄りのひがみなんかじゃないよ。嫁の陰謀なのよ。陰謀。食事抜いて、早くくたばれってね。

        婆ちゃん、ようやくポケットに入っていた入れ歯を見つけて、

婆ちゃん  あった!こんなとこに、(入れ歯をはめて)やれやれ、これ、嫁が隠したんだよ、きっと。そうさ、そうに違いないんだ。入れ歯が無けりゃ、おまんまたべられないもんね。腹空かして早くおっちねってね。ひがみじゃないよ。兵糧攻めってやつだよ、兵糧攻め。年寄りに食わせるおまんま、もったいないって、飢え死にさせようってんだよ。ああ、恐ろしい。

        と、懐からあんパンを取り出して食べる。

婆ちゃん  あたしだってね、やられぱなしじゃありませんよ。ちゃーんと自衛手段こうじてますからね。兵糧攻めでおっちんでなんかいられるかいってもんだ。あ、いけない。賞味期限確かめなくちゃね。不二家はあんパン作ってないはずだけどね。危ない、危ない。年寄りの目悪いのに付けこんで、カビだらけのもん食わせられちゃかなわねえからね。

        婆ちゃん、あんパンの袋の表示を読もうとして、

婆ちゃん  ありゃりゃ、かすんじゃって。読めないよ。そうか、眼鏡。眼鏡はどこに置いたっけねえ。やだ、また無いよ。そこらに置いたはずなんだけど。おかしいねえ。たしかさっきそこに、・ないねえ。ない。・・ははーん、陰謀だよ。陰謀。ひがみじゃないよ。あの嫁さ。どっかに隠しやがったんだ。眼鏡隠して、カビだらけの腐ったもの食わせて、早くおっちんじまえってね。まったく、なんて嫁なんだろ。鬼だね、鬼。鬼嫁だ。今頃、髪の毛逆立てて、

        と、頭に手をやると、そこには眼鏡があった。

婆ちゃん  あら、あったわ。いやだ。年取ると物忘れが激しくなってね。でもね、嫁の陰謀はね、

        袖で息子達の声が聞こえる。

息子   おーい、そろそろお弔いのお客様来るぞ。

嫁    分かってますよ。今、仏様にあげる御膳準備してますから。

婆ちゃん  お弔い?はあ?仏様?・・あっ、忘れてた。

        婆ちゃん、棺桶のふたを開け、中から経帷子を取りだして身に付ける。

婆ちゃん  年取ると物忘れが激しくなってねえ。なんまんだぶ、なんまんだぶ。         

        手を合わせながら棺桶に入り横になる。

 問題は、高校生にこれができるかってことだ。う~ん!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さがしものは何ですか?

2007-01-11 22:55:30 | インポート

 言わずと知れた井上陽水の名曲『夢の中へ』の歌い出しだ。ずーっと以前からこの言葉が気になっていた。いつも、何かさがしていたからなのか。そのくせ、そのさがしものが何だからわからないもどかしさを抱えて続けていたからなのか。この言葉には人生の真実につながる何かがあるように感じてきた。もっとも、陽水はさがしものなんか止めて、夢の中へ行こうって誘うんだけどね。でも、彼だって、いっとき夢の中で忘れられたとしても、また、夢が覚めればさがしものに精出すに違いないって知っていたんだと思う。

 「さがしものは何ですか?」これをキーワードとして、コントとダンスの小品を作ることにした。部員達から募ったさがしものは、思いがけずオーソドックスなものだった。金、眼鏡、携帯、ピアス、入れ歯?言葉、家、帽子、さがしものがわからない、さらには、愛、まごころなんてのもあった。いいねえ。でも、愛とかまごころじゃあ、コントじゃなくて、最近流行の”泣けますドラマ”だね。

 さて、そこで。入れ歯と眼鏡探しと言えば、ばあちゃんものの定番。これは、高校生がやるとまず確実に受ける。でも、それだけじゃ芸がないから、ついでに自分が死んでいることも忘れていたっていうコントにした。金は、徹底的な駄洒落コントにして、帽子は、占い師が忘れ物の帽子の上に座っている、っていうよくある話しを作った。携帯は、今どきの若者にはリアルな話題なんだろうけど、持ってはいるがしばしばの不携帯で相手からほとんど相手にされなくなっている年寄り=私の身としては、いささか書きにくい話題だ。何に?それ書けばいいって?観客が同年代ならいいかもしれないが、高校生相手ではねえ。あと、必死で探しものをしている人を見て、通りがかりの人間が、大切なものと勝手に思い違いして手伝ったら、なんと、缶ジュースのプルタブだった、なんてコント。愛については、さがしものを装って図々しく愛を告白するなんてものを作ってみた。

 さて、作ってみた、とか、書いた、なんて言ってみたけれど、実は、また゛、書いていない。本当は今、その脚本を書いていなくちゃならないはずなんだ。ついつい、ブログに誘惑されて、こんなことをぐだぐだと書いている。いかん!いかん!台本書かなくちゃ!!あっ、ついでに、このコントを陽水の『夢の中へ』で踊りながら次々に演じていく、そんな舞台になるはずだ。

 2月3日(土)川西町フレンドリープラザホール。『来て!見て!!元気・置農』=生徒活動発表会=演劇部のステージがおおとりです。一般入場可。乞うご来場!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どもミュージカルの筋立てです。

2007-01-07 22:33:03 | インポート

 苦しいねえ、いつものことだけど。今回は、特に食育支援ミュージカルだから、好き勝手に奇妙なギャグつなぐってわけにいかないものね。で、今考えているのは、こんな国のお話し。

 とってもきれる大臣が国を牛耳っている国がある。その大臣の国造りの目標は、美しい国だ。うん?なんか聞いたふう?いやいや、もっと具体的かつ実用的なんだなこっちの方は。まず、国中の田畑には花の栽培を奨励してている、って言うより、花以外のもの、特に食料を作ることは厳禁なんだな。何故か?花が儲かるから。花は美しいから。だから、当然、食料はすべて隣国からの輸入だ。

 次に、食事はすべて各戸に設置されたフードマシーンが作ってくれる。家庭料理なんて手間がかかり非衛生的なものは完全に過去のものになってしまっている。フードマシーンは家族の健康状態やその日の好みを利きながら(今流行の双方向的に)その日の食事を提案し提供してくれるってわけだ。それも、毎週の国民投票で上位20位に入ったものがお勧めだ。と言うより、それ以外作れない。材料はすべてマシーンに直結したケーブルから配達され、さらに、残飯はすべてマシーンを逆流して集められ完全に焼却される。衛生的だ。実に美しい。

 と、まあ、こんなイメージの美しい国なんだけど、どうだろう。もちろん、この美しい国は、農業を切り捨て、コンビニ文化に食生活を丸投げしようとしているどこかの国のパロディなんだけど。さて、問題はこの頭でっかち的筋立てを子ども達が楽しめるストーリーに展開していけるかどうか、ミュージカルとして魅力的な構成に仕立て上げられるかどうかなんだよな。う~~~ん!さらにさらに、悩みは続く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする