今日から置農(置賜農業高校)演劇部の稽古が始まった。今どき珍しい暖かい日差しの差し込む校舎内を、まずは走る。部員はもちろん、二人の顧問も同じだけ走る。終わればじっくりとストレッチ。寝正月にだらけきったすじがたちまち悲鳴を上げる。筋トレは腹筋100回、背筋100回、腕立て25回(男は35回)、二人の顧問ももちろん参加する。それに我が部恒例の腕引っ張り、文字通り二人組になって腕を引っ張り合う。なんたって、劇部は体が勝負。平台持ってよろけるようじゃ使えない。10時間ぶっ通しの稽古について来られないようじゃ役立たずだ。
体が温まったら、発声。う~ん、10日間のブランクは大きい。まるで声が出ない。いやいや、声ばかりじゃない。気持ちの方も演劇部にあるまじきテンションの低さだ。早口言葉の失敗に照れ笑いする部員にガツンと一発。ちょっぴり引き締まる。
順序が逆になったが次はダンスだ。先月修学旅行先の沖縄で仕入れてきたCDをかける。沖縄で行われたレゲェコンサートのライブだ。うちの部員達、今どきの高校生じゃないから、ポップミュージックにはほとんど初心だ。レゲェの後打ちのリズムがなかなか体に馴染まない。結局、ノリノリで楽しんだのは、二人の顧問だったたりして。
ここまで、1時間半。後は1月末の校内公演に向けての稽古だ。16名の部員が二つのチームに分かれて、それぞれ別々の芝居を上演する。この公演ばかりは部員たちだけで作り上げることになっている。一昨年は部員の創作劇もあり、観客の涙を誘う好舞台となったのだが、今年はどうだろう。う~ん、ビミョー!
見ているとついつい口を出したくなってしまうので、私は職員室に引っ込んで、ネットサーフィンだ。いかがわしいサイト覗いてんだろって?とんでもない。狙いは農水省のホームページだから。「無理しんたっていいよ」、って、だから違うんだって。校内公演の後、取りかかる子どもミュージカルの取材作業なんだから。5作目となる今年のテーマは、ずばり!《食育》!!。農業高校の演劇部だからね、たまにゃ農業の応援団やったってばちは当たらないだろって。いいえ、実はもっといかがわしい下心があったのだ。
農業高校ではプロジェクト学習というのが、学習の柱になっている。生徒と先生がテーマを決めて一年間研究し結果をまとめ発表まで持って行くってものだ。この発表大会がなかなかのもので、校内大会から県大会、さらに東北大会、ついには、全国大会へと上り詰める。校内でさえ20本以上の発表があるという激戦の一大セレモニーなのだ。実は、こいつにちゃっかり、演劇部ではまっちゃおうぜ!演劇部で二つ県大会(演劇とプロジェクトと)に出ちまおうぜ!って魂胆なんだ。
って、ことで、今年のテーマは《食育》!そんなうまく行くんか?って声も強かったけど、3作目の『にんじんなんてどぅあーいキライ!』が結構評判よかったからきっと今度も上手くいくでしょ、って気楽に構えつつも、あと、3週間で台本上げんなねぇんだよね。『にんじん・・・』で大好評だったビンクレディUFOの替え歌、ピーマンみたいなヒットソングできるといいんだけどね。