ステージおきたま

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舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

場違い?「飛び出せ演劇部」

2007-02-13 23:18:12 | 教育

 疲れた!ほんと疲れた!!全国教育研究集会・分科会。9:00~18:00で、23本のレポートですよ。発表時間はたったの5分!山形から大分まで出向いて、たったの5分ですよ。待ちに待った発表で、10ページのレポート中3ページまで説明したら、「そろそろまとめて下さい。」だって、。いや驚いたね。つい、「えっ、もう・・・・・」絶句だった。

 でも、疲れたのは本数の多さばかりじゃない。重いんだよ、レポートの一本一本が。日の丸・君が代で一人戦ってる東京の先生、クラスの保護者全部回って、教育基本法反対の地域集会作った北海道の人、岩国基地反対・反戦平和の運動に燃える山口の人、一日14時間働く進学校の実態、教員評価制度でやけに強気になってパワーハラスメント繰り返す校長・教頭の話題とか、ともかく、安倍さんがへんに力むもんだから、教育界はこのところ大変なんだ。マスコミもどこのお先棒担いでんのか知らないが、公務員バッシングと教員批判に明け暮れてるしね。

 たしかに、最近、多いんだ、とんでもない教員が。少女買春した中学教師とか、酒酔い運転とか、教え子に手出した奴とかね。子ども達が大変な時に、いったいなにやってんだって、思うもの。でもね、そんな奴らは、ごくごく一部なんだ、当たり前のことだけど。大部分は我が身すり減らして、やけに弱くなった子ども達や、やたら強くなった保護者相手に、悪戦苦闘しているんだ。それが現実。

 ただね、気楽にやってる連中もいないわけじゃない。空き時間はお茶のみ話、休憩時間はしっかりとって、勤務時間終われば、さっさとご帰還、部活はなし。新しい仕事、骨の折れる仕事はすべてパスして、長期休暇はしっかりお休みっていう人、いるんだよね、たしかに。勤務時間くらい、しっかり働けよって言いたくなるような方々が。こういった「お気楽さん」まで、職場の仲間だからって、守ろうってところに組合にも問題があんだけどね。

 でも、だからって、校長が一人一人の教員を評価するなんて制度(この4月から山形県内すべての学校で始まる)には、絶対反対だ。て言うのはね、こういった「お気楽先生」が、結構、生徒に人気有ったり、生徒に強い印象与えていたりすることがあるからなんだ。教育って本当に、複雑怪奇。教え方が上手ってことは、たしかに悪くない。でも、それだけじゃないってことだ、教育は。

 だって、どう?あなたの思い出の先生ってどんな人?私の一押しは、高校の時の英語の先生だな。彼は、めちゃめちゃ映画に詳しい人だった。外国映画の新作はほぼ完全に見尽くしていて、しかもそのスタッフ、キャストすべて知っている、そして、その批評の鋭いこと、面白いこと。なんせ、映画評論家を目指していたのを、父親(検事だった)に猛反対されて英語教師になったって人だから。だから、彼の授業では、強引に脱線させて、映画の話しを聞くのが、何よりの楽しみだった。英語で何教わったかなんて、まるで覚えちゃいない。今、私が芝居の世界の片隅にちょろちょろしてるのも、きっと彼の影響なんだと思う。

 こういうもんなんだよ、教育って。百人の人間がいれば、百の幸せがあるように、人の育ち方だって千差万別なんだ。この多様性こそが、人間てもんで、それを大切にするのが教育ってものなんだ。政治家や財界人が、思い描くような学力・知力一本の価値基準なんかじゃ人は測れないの。その人を教育する教師についても同じ事。今の世の中、経済合理主義一辺倒だからね、せめて、このことは、しっかり言っておかなくちゃならない。

 と、こんなことで、真面目な先生達は、今、とってもつらいんだ。苦しいんだ。そんな人たちの全国教研・分科会だからね、空気の重いこと、重いこと。だから、私のレポートは、はっきり言って、場違い!もう、発表しながら、だれも聞いちゃいないぞ、きっと甘いって思ってんぞと、気が気じゃなかった。でも、ともかくせっかくの5分間、必死で突っ走った。発表終わっての評判は?わずかに二人の人が、お愛想、お情け、お付き合いで質問してくれた。いやあ、嬉しかったですね!感激のあまり、このブログの宣伝までして、名刺を配ったら、軽くそっぽを向かれてしまった。調子に乗るなって!

 ということで、圧倒された分科会だった。その日も翌日も、かなり落ち込んだ。だって、そうでしょ、わざわざ大分まて行って、自信を持って発表したら、無視!だもの、つらいですよ、これは。でもね、彼らには彼らの面と向かう敵があって、私には私のがっぷり取り組むものがある、ってことなんだ。それは、どちらがより重要ってことではないし、非難したり、批判したりって次元でもない。要するに、愛する女は違って当然ってこと。むむっ、違うか?まっ、仕方のないこと、今度はいつか、こっちの土俵で、勝負、勝負!!

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