ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

できるじゃない、やれば!

2012-05-20 22:04:12 | 農業
 どうなることかって思った。今年の田植え、トラブルの連続。まず、代掻き中に代掻きローターを回すユニバーサルジョイントが破断。5cm以上もある鉄のジョイント部分がもろくもポキリ。まだ2枚の代掻き残ってるっていうのに!大急ぎで農機屋さんに電話して、古くていいから安いの、安いの探してね、明後日までに、なんて勝手放題の注文をした。

 田植え当日、前日までの低温の影響で苗がさっぱり乾いていない。我が家の田植機は共立ってメーカーのポット苗用なんだ、って言っても田を作って無い人にはさっぱりだろうな。直径1.5cm程度の小さなポットが縦横に連結した苗箱で、一つのポットが苗一株になるって仕組みだ。田植機は、そのポット部分から苗を土付きのまま押し出して、小さなベルトコンベアの上を次々に運ばれて、両端にある爪で引っかけられて植え付ける。

 まっ、文章で読んでもさっぱりかもしれないが、要するに普通の田植機よりちょっとばかり構造が複雑なんだってことはわかってもらえたかな。そんな複雑さ故に、苗の状態も湿り過ぎてもダメ、乾きすぎてもダメ、って気むずかしいことこの上ない。幸い晴れ間が広がって来たんで、さっ、やるかと機械を田に入れて一往復、なんと!植わらない!ベルトコンベアの上でお行儀よく運ばれていくはずの苗が、わがままいっぱい、ぐちゃぐちゃと積み重なっている。ありゃりゃ、こりゃダメじゃ。てことで、農機屋さんに電話。注文した代掻きローターの整備中だってことだったが、そんなのいいから、こっち来て、ってずいぶん身勝手。

 農機屋のMさんと首をひねること、1時間。そう、特殊な機械だから、専門家の彼にも構造がよくわからない。僕はもちろんさっぱりわからないので、彼の自問自答にただ、あーとか、うーとか、相づちにもならないうめき声をあげるだけ。それでもさすがプロだ、なんとか故障の原因を見つけ出して、修理してくれた。さすがぁ!

 ところが、彼が帰って一時間後、またまた不調!今度は二つあるうちの右側のベルトがまったく動かない。ってことは、苗がその上にどんどこどんどこたまるばっかり、もちろん植えられっこない。よくよく見ると、なんとベルトが半分ほど裂けているじゃないか!ここに土が詰まって中のローラーが空回りしているらしい。大慌てで田植機を田から出して、我が家まで。焦る心を抑えつつ、洗浄機でたまった土を落とした。時刻はすでに6時半過ぎ。のったりのったりとしか走らない田植機を強引に押すようにして、田にもどしたが、洗浄効果も一往復でぱー!空は夕焼けから残照にそして夕闇へと。結局、植わってないってわかっていたけど、ともかく回るだけ回って、終了ってことにした。あーあ、明日が思いやられる。欠株、つまり植わってない部分、だらけで補植は酷いことになりそう。

 翌日、予定は、昨日のうちに終わっているはずのもう一枚の田を仕上げよう、その前に届いたローターで代掻きをして、補植もできるだけして、・・・なんて、冗談じゃないよ。ベルトコンベアの切断がほぼ限界に達してるじゃないか!このまま仕事始めれば、ものの5分で切れること間違いなし。弱った!交換するしかない。でも、馴染みの農機屋さんには頼めない。だって、彼が扱ってる機械じゃないもの。共立の代理店のS農機に電話して、在庫の有無を問い合わせた。まっ、有るわけ無いよな、だって我が家がもらったのが、20年前、ってことは、30年前の型式ってことだもの。半ば諦めつつ、そん時ゃ、次週に延期するしかないか、となると、水を落として表面が干上がった田はも一度代掻きか、いつするなだ?なんて思いながら、返事を待った。と、なんと、あったって、本当かよ!ただし、二種類あって、どっちか型番聞いただけでは、わからない、その部品を持って来てくれないと、・・・わかりました。すぐに外して持って行きます、米沢まで。

 そう簡単に請け合ったが、これがとてつもない大仕事。構造複雑怪奇の共立チャンだからね、どこをどう外せばいいのか、わからない。これか、こっちが臭いか?それと、なんせ、30年ものだからね。ネジが錆び付いて回らない。油刺したり、叩いたりしながらゆっくりぎっきと回し続けて、どうにか、苗送りのパーツを取り出すことができた。ただし、外した6本のうち、2本はついにボルトの頭がねじ切れてしまった。いいのか、こんなことで?暗澹たる気分で米沢に走り、5800円にてベルト部分を購入、途中、度重なる赤信号に苛立ちながら、帰宅、さっぱりわからぬ構造に頭をひねりつつ、不器用な手を呪いつつ、ようやくベルトの交換ができた!と思ったら、上下逆だった。さらにさらにつのる、焦り苛立ちに頭も心もねじくれながらも、どうやら取り付け完了。そんで大丈夫?神さんの呑気な一言に、んなん、わからん!回ることは回った。でも、ネジ2本破損してるし、それに田圃はさらに乾燥してひび割れまで入ってるし、もう、これでダメだったら、今日一日はなんなのよ!?

 祈る思いで機械を田に運び、苗箱を装着して運転、おおおおおおーっ!なんと、植わるではないか!!!!って当たり前なんだけど。どうやらちぎれたボルトも、残りのものでどうにか、支えられたみたいだ。凄い凄い!植わる植わる!!だから当たり前だって、田植機なんだから。でも、30年ものだからね。骨董品みたいなものだからね。

 その後、我が愛機、共立チャンは4時間の酷使にもしっかりと耐え、10aの田一枚、し終えてくれたのだった。ありがとう!そして、やればできるじゃないか、僕だって!機械音痴の僕だって。というこで、苦手、不得意って逃げてちゃいけない!ってのがこの長い文章の教訓でありました。ここまで読んでくれてありがとう。うーん、ビールがうまい!!!!!


コメント
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