ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

子どもだって大人だって、好奇心と勤勉性が決め手

2015-01-08 13:45:23 | 暮らし
 オーストラリアの研究グループが、学力を高める要因は、知能なんかより「経験への開放性」と「勤勉性」が重要な要素だという研究を発表したんだって。経験への開放性ってつまり知的好奇心てことだ。新しいことを知る喜び、未知の世界にワクワクする心ってことかな。勤勉性は言うまでもない。こつこつ積み上げていく努力、続ける根気。大学生の成績と性格(その他調べたのは協調性、情緒不安定性、外向性)との関連性を追求していてこの二つの性格要素が、成績上位者に顕著だったってことらしい。(ハフィントンポスト1/8版)

 この研究成果、納得だなぁ。農業高校で教えていて感じたことと共通するもの。まず勤勉性、まっ、これにはだれも異存はないだろうが、いくら入試成績上位で入ってきても、その後怠けてる奴は簡単に追い越されたって例を沢山見てきた。恥ずかしながら、僕が高校でダダ下がりしたのも、自惚れにあぐらをかいた怠慢のせいだった。ちょっとばっか学力あったって、知能指数が高くたって、常に磨きをかけなきゃガラス以下になるってことだ。

 経験への解放って要因もよくわかる。農業高校には農業クラブてものがあって、普通教科の他にプロジェクト学習や意見発表など農業や地域に関連した研究活動や学習が義務づけられている。生徒はみな栽培や飼育など地道な研究や地域活動に取り組み、一年間の成果を校内、県、東北、全国の大会で競い合う。全員が取り組むとは言っても、一方にほとんど休みなし、夏休みも返上なんてグループもあれば、他方授業時間内で終了なんてお気楽な班もある。どちらを選ぶも本人次第だが、やらされるから仕方なくやるって連中は、いくら自由な時間を手にしても勉強に精を出すなんてなくて、成績も芳しくなかった。一方、厳しく辛い研究活動を選択する奴は、とてつもなく忙しいのに成績は着実に上昇したし、難易度の高い進学にも成功する例が多かった。これ勤勉性の話し?まあそれもあるが、研究活動で上位に行くには、先進農家を訪問したり、役場や研究機関と共同研究を行ったり、地域の行事に参加したりと、並の高校生では考えられないような多彩で多面的な体験を積み重ねて行くことが必要なんだ。だから、僕は常に生徒たちに言っていた。暇な生徒は伸びない!仕事を山と抱えている奴ほど成長できる!社会に出て行け!って。だから、経験の開放性と勤勉性がキモって話しには、躊躇なくいいね!を押したい。

 
 で、本題だ。これ、子どもや学生だけの話じゃないんじゃない?伸びんの、学力ばかしじゃない気がするっ、ことだ。そう!大人だって同じ事だ。それなりの仕事やっつけたいなら、知的好奇心と勤勉性だろ、やっぱり。本も読みたくない、ネットも開かない、外にも出て行かない、人とも会わない、ただ家でぼーっテレビ見てるだけって生活が何ヶ月か続いたことがあった。つまり経験の閉鎖、知的閉じこもり状態だ。その頃、台本のネタを考えようとしても、空転の堂々巡り、さっぱりこれだっ!っていうアイディアにぶち当たらなかった。苛立ち腹立ちで心の集中力は全方位拡散の雲散霧消!ああ、俺ってほんと!空っぽだ!!蓄積ってやつがまるでない!取り組むものが見つからなけりゃ勤勉性の出番はない。

 感受性のリセットが必要だ。常に心のセンサーに電流が流れ、アンテナが四囲を巡っている、そんな状態を作り出す必要がある。心を解放して、視線を上げて周囲を見渡す。ちらとでも見える色合いが違ってくれば、あと一歩だ。なんじゃこれは?があちこちに出没する。これ知ってる、それ見たことある、あれって当然、じゃなくて、これ面白い!それ本当?あれ知りたい!となって、世界は一気に広がっていく。視野は断然広くなり、視界は深く明晰になっていく。いや、見えても理解できないかも知れない、でもその未知、不可解が面白い。これもっと知りたい、それ考えてみよう、とさらに心の深海艇は進んでいく、果てしない未知との遭遇を目指して!

 なーんて、ちょっと気取ってしまったけど、閉ざされていた好奇心が目を覚ました時って、こんな感じだった。で、今は机の横に未読の本が山積みになっている。読みたくてわくわくする本が、オレ、オレって主張している。明日はさらに本を仕入れに行くつもりでいる。で、台本のアイディアもいつの間にか頭に浮かび上がってきている。書けるぞ!これなら行ける!そんな自信もほの見える。

 だから、大切にしよう!体験への開放性!そして、さび付かせないようにしよう!出会ったアイディアを作品=仕事に結実させる勤勉性を!
コメント
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