ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

山形新聞日曜随想、今年一年よろしく!

2015-01-31 10:52:53 | 演劇
 今更なんですけど、この1月から月1で山新日曜随想欄に書きます。1回目はすでに掲載になったので読んでる人もいることでしょう。旬のネタで始まっているので、もはや色あせてる部分はありますが、知らなかったぁ!とか、うち山新取ってないもん!とか、日曜随想?あれって爺婆の読むもんでしょ!とか、新聞って読まねから!とか、まっ、いろいろ事情があって目を通していない方、おつきあいくださいよ。
 次回は2月11日掲載の予定です。なに書くの?ってそれは内緒でしょ。
 

 菜の花座の定期公演が迫っている。無謀だ!1月18日(日)、この豪雪・厳寒の中、観客来るか?いやその前に、公演できるか?今週は本番までぶっ通しで稽古、団員が集まれるかどうか。お天気まかせ、やる気と気合いの勝負ってことだ。
 季節よくなってからすれば?そう、そうなんだよ、誰だってそう思う。でも、年に2回の公演、これは譲れない。例年なら12月初めだが、今年度は会場を押さえることが出来ず今ちなった。春ともなれば、シニア演劇学校三期生卒業公演、菜の花座シニアのシニア演劇全国大会(仙台)、会津・置賜高校演劇部交流公演と、菜の花座のサポート事業は目白押し。吹雪だってなんだってやるっきゃない!観客ゼロでも幕を上げるしかない!
 菜の花座、旗揚げから16年目だ。井上ひさしさんが校長の川西町フレンドリープラザ演劇学校、その一期生を中心に旗揚げした劇団だが、長い歳月だ、メンバーは入れ替わり立ち替わり切り替わりすり替わって32回目の公演を迎える。高校演劇出身など若手の参加もあって、年寄りと姉ちゃんたちの異世代シャッフル、珍しい構成の劇団だ。一昨年からはシニア演劇学校の卒業生もなだれ込み、年寄り優位と高齢化が一挙に進んだ。初心者シニアをベテランの若者が支える、介護施設か?と見えなくもないが、なんの、シニアの元気は怖いもの知らずだ。
川西を演劇の町に!井上さんの思いから始まった演劇学校は3年前からシニア部門として活動を再開した。入校の資格は演劇経験なし50歳以上。半年にわたって発声や演技やスタッフワークなど様々な基礎を学び、11月には創作舞台で成果を問う。3月には卒業公演を終えて1年間のスケジュールを終える。
評判は上々、一期7名、二期11名、三期4名の参加があり、初年度は女性専用の共同墓を巡る夫婦の思いの行き違いをコミカルに描いた『風渡る頃』(作・演出:河原俊雄)、翌年は年寄りばかりの寒村に巻き起こった集団高齢妊娠をストーリーとしたミュージカル『ラ・グリンシャ クロニクル』(作曲:知野礼美、作・演出:河原俊雄)、三年目の今回はじり貧のケーキ屋がクッキーの猿やお菓子の天使の力を借りて自信を取り戻すというミュージカル『マダム・アンコの伝説』(作曲:知野礼美、作・演出:河原俊雄)。それぞれ見事に演じきり好評を博した。やり遂げたシニアたちの感激は強烈!第二の人生出発を祝う祝砲のごとく爆発し、苦労を分かち合った仲間たちとの友情と絆はさながら高校生部活動のノリだ。演劇続けたいよねぇ、舞台立ちたいねぇと意欲はますます舞い上がる。
 でも、非情!学校は入校期間1年、進級も留年もなしだ。舞台へのたぎる血潮のやり場はどこ?受け皿は菜の花座が引き受ける。卒業生のうち希望者は、菜の花プラザシニア団として加入し、シニア独自公演も行いつつ、菜の花座の本公演にも参加する。これまで11名が加わり、今回の作品『夢金らぷそでぃ』にも大切な役所を担っている。
 大挙してのシニア参入で、菜の花座は大きく変わった。シニアの熱心さ真面目さに煽られて稽古への集中度が一気に上昇。演劇面じゃ先輩だからとはえぬきメンバーの自覚も高まった。シニアには負けてられないよの意識は強烈だ。熾烈な役獲得合戦もじわじわと進行中?とは言え、両世代の仲はきわめて良好。親と子、祖母と孫、それほどに年齢の隔たった人たちが、互いに尊重しつつ一つの舞台を仕上げるために力を合わせている。良い光景だ。演劇なればこそ可能となった新しいつながり、地域の元気を呼び込む新しいモデルた、って言ってしまおう。
 シニア演劇、子ども演劇教室そして菜の花座、川西は演劇の町めざしまっしぐらだ。


コメント
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