ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

みんな役者だぁぁぁ!

2015-01-21 14:51:59 | 演劇
 高校で演劇部指導してたときもそうだったけど、僕のキャスティング方針は、全員出演!全員役者!ってことだ。いやまあ、スタッフだって必要だから、文字通り全員キャストってことはない。照明、音響、舞台監督などこればっかりは居てもらわなくっちゃ、ってスタッフ以外は、極力に舞台に立ってもらう。場合によってはスタッフ借用したって役者優先、キャスト主義だ。

 集まって来るのが、舞台に立ちたい、照明浴びたいって人がほとんどだって事情が大きいけど、スタッフで行きたいです、なんて言ってる人間だって本心は舞台なんだ、役者なんだ。いや、心からスタッフ志望って奴もいるけど、もうなにが何でも役者を経験してもらうことにしている。舞台に立って初めてわかるあの高揚感!達成感!そして一体感!これ味わってもらわないとね。

 今回は、シニア3期生公演とかぶった一人には大いに我慢してもらって舞台監督兼制作を担当してもらった。いやぁ、かんなし!悔しがってたなぁ。音響は一ヶ月後に出産予定のM、そして照明、普段は中心役者のH、雪深き小国からの通いってことで初の照明調光を任せた。って言っても、初体験で色作りなんて出来ないから、役者で出る置農演劇部顧問のNが事前に作って記憶しておき、そのデータを台本に即して呼び出してもらうっていうやり方だ。簡単?いえいえ、通しとかほとんど見てないし、調光室上がるの自体初めてなんだもの、これはかなりのプレッシャーなんだ。そんなんで大丈夫なんか?まっ、細かいこと言えばきりはないけど、まずはクレーム付くような事態に立ち至ったことはかつてない。てことで、菜の花座、いつだって舞台裏は火の車なんだ、実は。

 で、そんなに無理してみーんな出して演技はどうよ?芝居やろうとした人はほぼみんな経験してることだけど、劇団に合った台本てやつが、ほんと!見つからない!出演者の人数足りない、性別合ってない、年齢不適切。こんな基本的なところから困難は目白押しだが、仮になんとかはまったと思っても、持ち駒の演技力とか個性とかまで行くと、こりゃもう針の穴の駱駝だ。

 そこで効いて来るのが当て書きだ。人数、性別、年齢ばかりか、演技力、持ち味、声の大きさ、声の質、記憶力から雰囲気まで、すべて日常的につかんでいる。この役者ならこんな役だと生きるよなとか、こいつにゃせりふはこの程度が限度とか、これくらいの難易度なら超えられるだろうとか、家庭事情からこの人には今回この程度でとか、そうそう出番の数や時間だって・・・もう何からなにまで思案し、斟酌し、勘案して設定を作り上げる。もちろん、装置とか衣装とか照明とか舞台効果面も気を配る。要するに究極の適者適役!ってことだ。だから、無理が少ない。シニアにも即対応が可能になる。

 今回の配役では、シニアは一人を除き、その人の持ち味に合った役を配した。人によって役の重要度、せりふの多さ等は違うものの、役作りに苦労しなくても、地を生かして演技できる役所とせりふになっている。問題はせりふと動きの記憶だ。これはこれでかなり大変だったが、それぞれ苦労しながらも乗り越えた。だから、シニアの演じた役は、ほぼ上手く行った。観客の評価も高かった。

 一方、経験豊富な若手には、自分の個性から離れた役だ。年齢も実際より10歳近くも高かったり、日頃身近にいない職業、性格の役をあえて書いた。そう、彼らにはもう一皮脱皮してもらいたいからね。いつまでも、「今の自分でできる役」やってたらこれから伸びない。シニアにだって追いつかれ、抜き去られるからね。経験の数から経験の質へってことだ。若さで走ってきた役者道、これからは悪路もあれば嶮岨もあり、道なき道もある。それを自分なりに乗り越え踏み越えてどうやら一人前になって行くんだと思う。踏んだ舞台の数でいつまでも先輩面ぶら下げてると痛い目に遭うぞ!ってことだ。痛い目ってなんだ?そりゃ役がもらえなくなるってことだよ。主役から脇役へさらには端役へと転がり始めりゃ一気だから。ご用心!ご用心!








 

 
コメント
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