ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

14年6か月!岩崎、生まれ変わって出てこいよ!

2017-03-01 09:25:28 | 世の中へ

 なんか、違うんだよなぁ。違和感が腹の底に居座って、どうにもやり切れない。小金井の歌手が刺された事件だ。判決14年6か月の懲役。判例とか、法律的にどうなのか、そいつぁわからん。

 被害者の憎しみと恐怖の凄まじさ、当然だよ、体も心も切り刻まれて、人生、大きく捻じ曲げられちまったんだから。たった14年!で出て来る、って不安と不信を訴え気持ち、そうだろうな、って暗い気持ちで納得する。加害者は全然反省していにいない!って叫びにも怒りの激しさが伝わってくる。だいたい加害者の陳述中に、「じゃあ殺せ!」って口走ってしまう岩崎って奴、本当に堪え性が無さすぎだ。

 でもなぁ、僕には、なんか、岩崎て奴、いじらしく感じられるんだ。いや、やったことは絶対に許せないぜ。情状酌量の余地なしだ。勝手に片思いして、思い違いして、思いだけがヒートアップして、言うこと聞かないから、殺しちまおう、(もっとも、当人は殺意を否定してるけど)、って、余りの勘違い野郎じゃないか。

 だがなぁ、この盲目さが恋ってもんの本質じゃねえかとも思うんだ。「じゃあ、殺せ!」ってことば、めちゃめちゃ評判悪い。あれが奴の印象をどん底まで叩き込んだのは間違いない。裁判中にパネル1枚隔てて被害者いるんだぜ、恐怖を与える威嚇の言葉ってとられて当然だ。でもなぁ、またもや、でもなぁ、なんだか、あいつの殺せには無理心中への切ない願いが混じっているんじゃないか、思いが伝わらぬ男の、悲痛な愛の告白のようにも聞こえたんだよ。

 奴はね、岩崎は、反省してるんだと思う。そりゃ、被害者の惨状や絶望の深みには到底降り切れちゃいないだろう。どなったりするくらいだから。会って話したわけでも、詳しく陳述を読んだわけでもないから、ただの直観だ。あるいは、思い込み。今、裁きの場に立たされて、愛する者をずたずたに傷つけてしまったことの悔いは奴なりにはあるんだと思う。そのことを、被害者に、愛する人にわかって欲しい。だから、全然反省していない、って糾弾された時、ブチ切れてしまったんだと思う。俺はこんなに愛してるのに!って。切ないなぁ!愛ってどこまでも人間を愚かにする。

 この事件を報じた新聞、テレビ、中でもワイドショーなんかは、被害者に寄り添うコメントで埋め尽くされている。刑期が短い、厳罰をって主張が大多数だ。最近は被害者側に立つのが流行で、それはそれでとても大切なことだ。でもなぁ、日本の刑罰は加害者の更生を目指す教育刑の立場に立っているんだ。人は変わり得る!人生はやり直せる!これが基本だ。僕も岩崎に関しては、この立場で、ってことは、すべての犯罪者が生まれ変われるとも思っていないってことなんだが、矛盾してる、奴にエールを送ろうと思う。岩崎、生まれ変わって出て来いよ!判決言い渡しの時の言葉、「深く反省し、自分を抑えられる人間になってきます。」その気持ち、忘れるなよ!

 それと、被害者の富田さん。14年6か月の歳月、彼女もきっと生まれ変わると思う。人生すべてを憎しみと憎悪と恐怖で塗り固めるなんて、それは、受けた傷と同じように残酷なことじゃないか。深部にまで達した心と体の傷をどう癒して行くのか、僕なんかにはとても想像できない、のたうち回るような苦難の道だろう。でも、それをやるしかない。人は、変われる!それを信じる側に立っていたいもんだと思う。

コメント
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