ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

まずはコントを振り返る!シニア5期生修了公演

2017-03-28 08:37:00 | シニア演劇

 シニア5期生最後の舞台は、コント2本と各自の持ち芸披露だ。前半でコントを演じ、休憩を挟んで得意芸大会。まずは、コントの出来栄え客受けを反省だ。

 2本のコント、最初の『神頼み』、これは心配だった。台本は悪くないと思っていたが、なんせ、セリフが入らない。記憶に自信がないから、どうしたって動きの方は二の次三の次。ついつい棒立ちのまま、必死でセリフを思い出すってことになる。だから、稽古じゃこっちのチームを集中的にしごいた。

 その甲斐あって、というより、最初のギャグで一気に笑い、それで役者たち、気が楽になった。賽銭の額をめぐる矢継ぎ早のギャグも好評、ここを乗り切れば、お調子者の神様もノリノリで登場、歌に踊りに縦横無尽の大活躍。客席を大いに沸かし、極めつけは不貞腐れ巫女の登場。ここは客席に陣取る応援団が大爆笑。こうなりゃ、セリフの一つ一つ、ギャグの一つ一つで笑いを誘い、最後のオチ、巫女が”とんでも美人”になって現れてしっかり話を落としてまとめてくれた。真ん前にゃお客さん、その笑いと手拍子に乗せられて、これまで見せたことのない動きや表情なんかも飛び出して、役者たち、やりたい放題の15分間、大いに楽しんだ。

 2本目の『バトル in ケアハウス』。こっちは早くからセリフも入り、役者たちも演出の意図を早々と理解してくれていたので、安心して本番へ。ところが、あれれれれ?いまいち笑いが起きない。お客さん、まったくの白けっぱなしってわけじゃなく、そこそこに楽しんでくれたようなのだが、ひっきりなしの爆笑とはいかなかった。役者たちは名演、熱演で、稽古以上の仕上がりだったので、これは大いに残念。いつも見に来てくれる町長、終演後開口一番、コント受けなかったね、ってそれが最初にかける言葉か!でも、まっ、その通りなんだが。

 理由は、観客とのミスマッチってことだな。高齢者主体の客層に、老人ホームでの虐待ネタじゃ、身につまされて笑いどころじゃなかったってことかな。そう、菜の花座やシニア団の公演でも感じていたことだが、お歳より、特におば様方は、残酷な笑いにゃ拒否感が強いんだ。女性のやさしさってことかもしれない。下品なくすぐりも、過激な笑いもNGだね。品のある、穏やかな笑いがお好みだ。ジイサン乗せた車椅子をぶん回すとか、ひっくり返す、なんて、とても残酷で、いやだわぁぁぁ!って嫌悪感が先に立つのだろう。

 でもねぇ、笑いって、残酷なところがあるんだよ。心温まるユーモアとかもある反面、人を切り刻んで楽しむサドの笑いも大切なものなんだ。例えば、たけしや松本人志、のデビュー当時の毒舌。あっ、今じゃすっかり常識の権化になっちまってるけどね松本。古くは藤山寛美のアホ丁稚だって、大いにアホ加減を笑い倒したじゃないか。いじめなんてのも、この残酷な笑いが衝動になっている。

 いじめは悪い、うんそりゃそうなんだが、あんまりそればっか言い過ぎると、人間薄っぺらなカスカスになっちまう気がする。笑わせていじめの矛先をかわすとか、けっこう逞しく生き抜いた子どもらいたんだよなぁ。いじめをなくす、それも大切、いじめを生き抜く術を鍛えるてのも同時にやっていい。世の中、あんまり道徳的に固まり過ぎると、きっと大きなしっぺ返しを食うと思うぞ。個人発表で朗読された金子みすずじゃないけど、悪るもいて、ゲスもいて、クズもいて、アホもいて、みんな違って、みんないい、これでなくっちゃ。

 てことだから、今回受けなくたって、気にするこたぁない。また、いつか別の機会に勝負だよ、って軽くいなしてやり過ごす、これも長年の経験で身に着けた貴重な処世術ってことさ。

 

 

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