ピンチ、なんとか乗り切ろうと公演仕込みに入ったら、たはっ、今度は絶対絶命!もう自力じゃ太刀打ちできない事態が出来!明後日の公演中止かも?
建て込み、素晴らしい装置ができた!っていうのに、なんてことよ!
あまりの舞台の見事さについ引き寄せられた女優陣、一目見ようと照明シュートの真っ最中に舞台から客席に降りようとして、あっ、落ちた!
な、なんと、階段踏み外して1メートル下の客席に転落。頭部裂傷、左腕損傷!救急車を呼ぶ羽目になった。
大丈夫か?頭蓋骨や脳へのダメージはないか?腕はどうだ、動くのか?川西の救急隊の丁寧かつ迅速な対応で置賜総合病院に搬送した。
動揺する団員を宥めつつ、舞台上での注意深い行動を戒め合って、作業を再開、3時間ほど経って、遅れたシュートから色づくりに入った頃、旦那さんに付き添われた当人、痛々しい姿で戻って来た。
頭の傷は8針も縫ったが、脳や頭蓋骨には問題なし、腕の方が重傷で、骨折、全治1カ月半!うわぁ、絶望!
でも、舞台に出させてください!当人の強い希望。
もちろんです!ありがとう!って答えるしかないだろうぜ。頭はターバン、腕は添え木を当てて吊っている、とても舞台に上がれる状態ではないんだが、彼女の強い願い、みんなと一緒にこの舞台を仕上げたい、迷惑はかけたくない、という気持ちに甘えることにした。
役どころは、横暴な夫に振り回される妻、なんと、骨折するまでDV受けたのか、って設定にして上演強行することになった。なんとなぁ、大爆笑!当人は痛さを堪えているっていうのに。まっ、そうやって冗談にして元気を回復させようってことさ。
ちょくちょく難題持ち上がる菜の花座、今回はさすがに絶対絶命だが、きっといつもの奇跡が出現して、さらに良い結果を生むことだろう。
ほれ、舞台なんて、こんなに魅力的なんだからさ、
こりゃ見ない手はないぜ!