やっぱり、繰り返しの力だなぁ!
最後の最後まで上手く行かなかったダンスホールシーン、ともかく何度も繰り返した。午前中のゲネでも失敗し、そのあと昼食時間を削って稽古を繰り返して、どうにか、見られるものになった。
今回の公演で難しかったのは、決め手の断罪シーンやスタートの黒薔薇族ダンスが、装置を組み込まないことには満足な練習ができないことだった。
たった2分のダンスのリハーサルだけで1時間はみっちり時間をかけた。音響スタート、カーテンの開け、照明オン、おっと、スモークなんてこともあって、スタッフが飲み込めるまでにずいぶん時間がかかってしまった。
若手二人が相次いで産休離脱したことも大きかった。これまで任せていた裏方補助の仕事をシニアたちが引き継いだが、これがなかなか難題。許容量が減衰している頭で、場ミリや蓄光テープ張り、明かり作りの位置取りなど、右往左往で、指示する舞台監督や演出が苛立つこともままあった。これもやっぱり繰り返しなんだなぁ。
演技の方も繰り返しの重要さを実感。6月に入って稽古漬けの毎日できっと蓄積されて行ったんだろう、ゲネ、本番ではしっかり感情移入して役になり切れていた。
この役に没入できるようになったってことで、舞台が生き生きとするこになったし、役者も一皮むけた。この成果が大きい。今まで、どう話すか、どう動くかばかり気を取られていたのが、まずは、心を役に注いでいくことが重要だと言うことを身をもって理解してくれた気がする。
シーンの雰囲気を掴めるようになったのも大きい。これは、自己の演技を外から見つめることができるってことだ。その余裕がアドリブにもつながって、悪乗りではない、巧みな場つなぎを上手にこなしてくれた。
それもやはり、繰り返しで得られることだ。
まずは大きな失敗もなく、カーテンコールは大きな手拍子ももらえて、苦しんだだけのことはあった。