Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

【質問】大岩真のペンネームで書かれた記事を再掲載していただけないでしょうか?

2006年12月25日 | 質問に答えて

アヴェ・マリア!


【質問】
小野田神父さま
・・・
 神父さまにお願いがあるのですが、大岩真のペンネームで書かれたという記事を再掲載していただけないでしょうか? 
 今回のこの記事を読んでぜひ拝読したく思いました。
また、お時間がとれるときでかまわないのですが「教導権」と「ご出現主義の間違い」についてもなにか書いていただけないでしょうか?

それでは、よいご降誕をお迎えください。
祈りのうちに。


【質問】
 アヴェ・マリア!
 ご質問をありがとうございました。昔書いた記事は次の通りです。

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「私的啓示 現代の似非(えせ)神秘家に関する一分析」
返答: Fr Thomas Onoda 2003-05-04



アヴェ・マリア!

現在偽りの予言者、似非神秘家たちが巷に氾濫しています。どこの国にもそう言った人達がいます。米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、スペイン、ユーゴスラビアなどなど、数え上げたらきりが無いくらいです。
「私的啓示 現代の似非(えせ)神秘家に関する一分析」 大岩 真 著
 


 そして日本においても、自分は幻視者だと自称している人(ほとんどが女性)がいます。彼女達はオーストラリアのナウラのリトル・ペブル(本名ウィリアム・カム)と言う人の影響をひどく受けている被害者だと言っていいくらいです。
 ところで、日本人の中にこれらの「メッセージ]に騙されているような方がおられ、中には、祈りに熱心なような方々ばかりです。しかしあまりにも単純なために、聖母様からだよ、と言われると何でもかんでも鵜呑みにされてしまっているようです。そのような方は人を疑うと言うことを知らない方のようです。
 ここに投稿した人もきっとそうなのでしょう。



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 一体リトル・ペブルとは何物なのか

 そこで、一体リトル・ペブルとは何物なのか見てみることにしましょう。
 ウィリアム・カムは、ドイツに生まれ、今から40年以上も前に両親と一緒に、彼が8歳のときに、オーストラリアに来ています。彼は「幻視者」となる前はウォロンゴングNSWビルディング・ソサイエティーという会社の会計係でした。そして結婚し4人の子供があり、豪華な邸宅に住んでいます。なぜこうも豪華な邸宅に住まなければならないかというと、次期教皇である自分にふさわしい邸宅が必要だからだそうです。

 彼はかつてニューヨークのベイサイドという「聖なる場所」にでかけました。そしてそこから帰るや否や聖母からお告げを受けたと言い出しました。かつてベイサイドのメッセージを広めていましたがそれからは「聖母」によって自分に語られたメッセージを広めようと決意するのです。

 ウィリアム・カムはT.マルドゥーン(Muldoon)司教が自分の霊的指導者だったと言っています。しかしこのマルドゥーン司教は1985年にこう言っています。

 「ウィリアム・カムの霊的指導者だったことは一度もありません。数回にわたり彼が私に頼むので彼とインタビューをしたことがあります。そして彼は私に多くの自分のメッセージを送ってよこしました。大きな忍耐を払い、愛徳と祈りの精神、見極めをもってこのことに関して2年間にわたり考察しました。私は彼が幻覚や誇大妄想症に苦しんでいるに過ぎないということをますます確信せざるを得ませんでした。私はこの結論を彼の司教様にお知らせしました。するとこのウィリアム・マーレイ司教様は私の結論を知らされ、自分の独自の調査委員会を設立しました。そして、司牧上の手紙を書き自分の司教区内のすべての教会でそれを読ませました。そしてこの「メッセージ」を発行することを禁止し人々にリトル・ペブルのいるところに行かないようにと禁止しました。しかしリトル・ペブルとその信奉者たちはそれに従うことを拒否しました。」

 もしある司教が調査の後にある幻視者を排斥するなら、その件はもうケリがついたことになるのであって、ローマでさえもその後に反対の判定を下すことはありません。

 この司教は更にこう言っています。
 「完全に善意の多くの人々がリトル・ペブルによって勧められている祈りや信心に参加していると分かっています。わたしはこのような人々をそのことをもって非難しようとは全く思いません。彼らの真摯さゆえに彼らの祈りは我らの主とその御母に受け入れられるものであったろうと確信しています。しかしこれ以後将来には、リトル・ペブルと自称するこの人が組織するいかなる宗教的信心業に参加しないで下さいと強く助言します。(1984年10月29日)」

 こうしてマルドゥーン司教はリトル・ペブルから離れられたのです。同じ司教は1984年6月29日にリトル・ペブルにこう手紙を書いています。
 「わたしが今まで言ったこととは反対にあなたは多くの人々に、わたしがいわゆるメッセージについてそれが正当であることを承認したと語っています。わたしはそのようなことをしたことが一度もありません。」
 この司教は自称メッセージが聖書と教会の教えとに反していると述べられたのでした。

 メッセージの中には多くの不一致・食い違い・矛盾・成就しなかった多くの予言があります。例えば「メッセージ」の中には主の第2と第3の(!)来臨が語られています。また、リトル・ペブルが広めている聖母は13の星を冠と戴いています。でも黙示録の第12章13節の、月を踏み太陽を着ている婦人は聖アウグスチヌスが聖母のことだというのですが、この婦人は12の星を冠と戴いているのです。

 「さらにカム氏は、新しいスカプラリオをこの世に提供しています!彼の「幻視者」が彼にこの『償いのスカプラリオ』を作るようにと言ったのです。しかしこのことは教会法に反しています。『使徒座のみが新しい準秘跡を確立し、あるいはそれを正当に解釈し、既に存在しているものを廃止し或いは変更し得る。(第1167条)』」 ですからメダイを(勝手に作って)広めているのも教会法を無視しています。

 確かに、カム氏は、最初は常にメッセージにおいて自分の信奉者たちに自分は「自分のメッセージに関して聖にして母なる教会の判断をすべて喜んで受け入れる」と言っていました。しかし司教区の司教が公に彼のメッセージが本物ではないと宣言しても、彼はその活動を続けたのです。

 

 教会は承認していない

 1986年3月6日、シドニーのザ・カトリック・ウィークリーにマーレイ司教が書いた記事が載り、リトル・ペブルとその信奉者の活動を公に非難しています。

 「…わたしは、重大な不安と多くの人々の混乱の元となっている一件について皆さんにお手紙を書かずにはいられません。皆さんの多くが『リトル・ペブル』と自称する人から書き物をもらったことがある、或いはもらっているということを知るようになりました。彼はこれらの書き物は聖母から、また更には我らの主御自身から受けたものだと言っています。
 …わたしはそれらのメッセージを専門的神学上の調査にかけました。この調査の結果による神学的助言は、リトル・ペブルと自称する人から発せられるメッセージには何らの超自然的意味を与えられない、とのことでした。
 更に教会が超自然的現象と言われるものが本当のものであるか否かを判断するその基準の光において検査するとこの「メッセージ」はその基準に外れるのです。そしてそこから分かることは、


1:  まず第一に聖書と天主の御言葉の公式な教会の解釈とずれ違っていること。
2:  第二に、メッセージは家族と共同体において分裂の原因となっていること。わたしはこのことに関して多くの報告を受けました。…
3:  第三に…メッセージはセンセーショナルで異常な恐ろしい予言が中心になり恐怖を呼び起こしていること。…
5:  第五にメッセージの中で言われている信心業はわたしの認可も、彼らのいる教区の司祭の許可も受けていないこと。
6:  第六に、メッセージは(ア)矛盾(イ)不成就の予言…を含んでいること。

 これらの「メッセージ」の張本人は幻覚の無辜なる被害者であり、自ら進んで人々を騙すような人ではないという可能性を受け入れる一方、しかしながら「メッセージ」は本物ではなく、その内容も信者が真剣に注意を傾けたり実際に行動したりすべきものでもないことを、わたしは強調しなければなりません。
 『リトル・ペブル』と自称するこの人が教会の認可も無く教会の権威に逆らって広めているいかなる信心にも、信者は参加すべきではありません。」

 もしこのことを第二バチカン公会議の以前に司教様が発表しておられたとしたら、人々はすぐそれに従いぴたりと止めていたことでしょう。この予言者流行りというのは、教会の権威の失墜と深く関係しているのを見るようで涙が目に滲んできます。

 


 償いのマリアの業

 カム氏によると、償いのマリアの業の非公式の役割は、この世にヨハネ・パウロ2世命をねらう第2の暗殺の試みがあることを知らせること、それに続き、ローマで革命が起こりそのために教皇様は退位しなければならなくなること、そのすぐ後に第3次世界大戦が勃発することを知らせることだそうです。(これらの予言の一部はカトリックに古くから伝わる予言から取られたものです。)

 しかし、マーレイ司教が出した、
(1) ウィリアム・カム氏の「メッセージ」は本物ではなく、その内容も信者が真剣に注意を傾けたり実際に行動したりすべきものでもないこと、
(2) 『リトル・ペブル』と自称するこの人が教会の認可も無く教会の権威に逆らって広めているいかなる信心にも、信者は参加すべきではないこと、
という禁止命令を全く無視して、リトル・ペブルは自分の「メッセージ」を広める活動をし、「祈るのに教会の許可は要らない!」と言ってメッセージにそった信心活動を続けました。リトル・ペブルに答えてバチカンは、「本当に敬虔なカトリック信者を間違って導き間違いを教える許可」は与えられないと答えました。

 また、リトル・ペブルはメッセージを受けたと主張するばかりか、自らが創立者となって、「聖シャーベル修道会」というものを創立したと主張しています。しかし、カトリック教会法典に従った認可を全く受けていません。

 

 バチカンとの関係

 では、リトル・ペブルとバチカンとの関係はどうなっているか少し見てみましょう。
 1985年3月31日付けのリトル・ペブルのニュース・レターのナンバー26には、「今朝わたしたちは教皇様の私唱ミサに行き、そしてその朝彼と個人的謁見を受けました。」と書いてあります。

 事実は、ウィリアム・カムは教皇様に「聖母からのメッセージ」を渡すために、1985年の4月にローマに行きました。彼は一般謁見の時を狙って「私は聖母からの教皇様に対するメッセージをもっている」と言うメモを教皇様に渡し、自分が教皇様の私唱ミサに招待されることを願いました。好奇心に駆られた教皇様は彼を招待したそうです。そしてその他およそ30人ほどの招待客と共にリトル・ペブルもこの私唱ミサに与かりました。
 しかしこれはカム氏の言うように『個人的謁見』ではありませんでした。リトル・ペブルは更にこう言っていました。「教皇様は私を100%信じており、私について多くの巡礼者に話をするつもりである」と。こんなことを言うとあたかも教皇様は彼のやっていることに賛成しておりそれを承認しているかのように聞こえますが、このことは事実ではありませんでした。

 1986年の3月にはウォロンゴングのマーレイ司教はザ・カトリック・ウィークリーに(1986年3月5日)教皇大使ルイジ・バルバリート大司教を通してバチカンの秘書局から受け取った声明文を発表しました。
 「私は貴方にマーレイ司教に次のことを通達してくださることをお願いします。4月にはカム氏は毎週水曜日の一般謁見のときに教皇様と会ったこと、教皇様の個人用小聖堂でほかの信者と共にミサに与かったこと、しかしカム氏は自分の主張する『ビジョン』に関し、教皇様から如何なる認可をも受け取らなかったこと、したがって、カム氏は自分の司教の栽治権及びそのすべての指導に自分を任せなければならないこと、そして教会の法律に従って、その司教がご出現に関して判断し規律を行使する直接の責任があること。」

 カム氏は自分の信憑性を支えるために教皇様の認可がどうしてもほしかったのです。しかし個人的謁見が得られなかったので今度は教皇様と一緒にバイロケーションをしていると言い出すのです。教皇様は公の認可を出すのは拒否するけれども、バイロケーションによって個人的に認可を出しているというのです!
 司教様に対しては、カム氏は我らの主御自身が「司教の命令にかかわりあうな」と言われたと言い、更に後には、この司教様は「メッセージにたいする信仰の欠如のために重い償いを受けるだろう」と述べ、これに続いてものすごく不吉な脅しをこの司教にしているのです。

 カム氏は、次の教皇になるという「ヴィジョン」を受けたと主張しています。彼は、ペトロ・ロマヌス2世として教皇に選ばれると予言し、この主張を公に発表しています。しかし、この哀れな現代世界には既に5名以上の、似非幻視者のグループによって、「教皇」を自称している人々が存在しています!!

 カム氏の講演会のカセットテープを聞くと、こうあります。
 「リトル・ペブルは、キリストの代理者ヨハネ・パウロ2世の地位を取るだろう。ヨハネ・パウロ2世は、ウィリアム・カムを(1988年)5月にその地位に任命し、反教皇としてカザロリがヨハネ・パウロ2世の後に選ばれるだろう。カザロリは1988年5月14日にエルサレムに行くだろう。ヨハネ・パウロ2世は、傷を受けたとき、その後継者(カム)を任命するだろう。」

 もちろん、そのようなことは起こりませんでした。

 

 メジュゴリエとの関係

 「私はメジュゴリエを100%支持し、メジュゴリエの幻視者たちのためにいのります。」とウィリアム・カムは1987年9月22日に言っています。しかし、ザニッチ司教はすでに1986年に、調査委員会の調査の結果「超自然的出現は認められない」と発表していたのです。

 メジュゴリエについては、このホームページのその項をご覧下さい。

 

 私たちの取るべき態度

 私たちは、カトリック教会と諸聖人の取ったのと同じ態度を、「御出現」や「メッセージ」に関して取らなければなりません。
 カトリック教会は、そのようなことに関してあわてて宣伝したりしません。教会はむしろ、特別な恵みを世俗の目から隠し、その長上に従順であるためだけに公にするものです。私たちの主イエズス・キリストは、私たちを指導するために教会を制定しました。私たちの主イエズス・キリストは、私たちを聖化するために秘跡を下さいました。私たちが天国に行くための道は、聖伝の公教要理に書かれています。公会議や教皇様たちが教えています。

 私たちは、カトリック教会の認めないこの世にごまんとある「御出現」には、全く興味がありません。
 今後、この種に関する書き込みをご遠慮申し上げます。ご理解を感謝いたします。

 天主様の祝福が豊かにありますように!


トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)

これを書くために、Private Revelations by Peter Valde-Magnus, 1990, Instauratio Press, Saint Benedict’s Drive, Gladysdale Vic 3797, Australiaを参考にしました。
 


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私たちの主イエズス・キリストの御降誕のお祝いを申し上げます。

2006年12月25日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言

アヴェ・マリア!


兄弟姉妹の皆様、
私たちの主イエズス・キリストの御降誕のお祝いを申し上げます。


 聖伝のミサに与る兄弟姉妹の皆様、特に、信徒会長様、侍者の兄弟の皆様、聖歌隊の兄弟姉妹の皆様、聖ピオ十世会関連のホームページを作って下さっている兄弟姉妹の皆様、また私たちのホームページをご覧になって下さる兄弟姉妹の皆様に心から感謝します。


 兄弟姉妹の皆様から受けた援助と祈り、応援とアドバイスなど、心から感謝します。


 私たちの主イエズス・キリストの豊かな御恵みと祝福がありますように!

 

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--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
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