新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

別府美術館

2019年02月27日 | 美術館&博物館

保養所の近くに広大な別府公園がありました。今回初めてこの存在を知りさっそく街歩きに出発。


 
公園は広大な敷地で、向うにそびえ立つのが鶴見岳。ゲートの中に見えるのが125mのグローバルタワー。風邪気味の夫を宿に残し、ひとりここを散策しながら通り抜け、別府市美術館に行ってきました。
 
東京都美術館の生みの親である佐藤慶太郎氏が、後年別府に居を構えた時に文化的な物をここにも、と多額の寄付をされ、その基金を元に常設美術館が設立されました。その「常設」の意義を固く守って、近代日本画壇で活躍した作家たちの作品を網羅した密度の高いコレクションです。

佐藤慶太郎の胸像は朝倉文夫制作、肖像画は岡田三郎助制作。玄関ホールで最初に目につきます。
 
夕方4時近かったせいか入館者は私一人。学芸員さんがわざわざ出てきて丁寧に説明してくださいました。
学芸員さん一押しの福田平八郎《桃》は当館の開館記念として制作されたというだけあって、深く印象に残る優しい絵でした。油彩では表現できない様な桃の質感に思わず手が出そうなほどだし、桃の甘い香りまでもが感じ取れました。
 
プリンの下のパンフレットの絵が安井曽太郎《桃》です。
日本画・洋画ともに実によく収集されていています。村上華岳、山口華陽、安井曽太郎、小出楢重、小磯良平・・・、文化勲章受章者がずらり。

旅の終わりの日に、「これを見ないと損」とばかりに夫を連れてまた来館しました。今回の旅の大収穫。これだけの逸品揃いなのに入場料は100円!70歳以上は無料!


JR別府駅海側の街並みは商店街。別府は外人観光客の人気度も高いはずですがなんか低調・・・。再開発予定なのかシャッターが下りていたり、移転したりでなかなか昼食にありつけません。


やっと見つけたうなぎ屋さん、古いガラス戸に貼り付けた「国産のうなぎを使っています」の墨字に目が行きました。勇気を持って引き戸を開けると、誠実そうなおばあさんの挨拶を受けて美味しいはずと直感。蒲焼きは少し焦げていましたが、美味しさに夫も供満足でした。


スマホ片手にアジア系観光客のグループが戸惑う様子もなく入ってきました。ウナギは人気なのでしょう、スマホにはちゃんと情報が載っているんですね~。写真入りのメニューをスマホで撮りまくっていました。


おばあさんとどうやってコミュニケーションをとるのか気になっていたら、壁のメニューを指さして指で注文数を示していました。言葉はなくてもボディを使えばわかり合えるのが凄いし微笑ましいです。


海外のお客さんはスマホがあれば怖いものなし、どこにでも行ける、・・・そんな風に受けとれました。

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