『青天を衝け』の右上がりの書体が、回をかさねるごとにストーリーにぴったり合っていると思うようになりました。文字には上を向き何か強い意志が感じられ、生きているようにさえ思えます。書家でなく現代美術作家の杉本博司さんの手になるものです。
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昨日のドラマの中で、栄一は「兄ぃ」と呼ぶ尾高惇忠と長野へ藍の売り込みに同道しました。ここに「青天を衝け」の元になった漢詩「勢衝青天・・・」が登場します。
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内山峡の岩山をよじ登る栄一作の漢詩です。「勢いは青天を衝きて 臂(ひじ)を攘(まくり)てのぼり 気は白雲を穿ちて 手に唾して征く」と青天を突き刺す勢いで上に、前に進む強い意思を表しています。
同道した尾高惇忠の曾孫が尾高忠明で、このドラマのテーマ音楽を担当しています。正に正当な血筋が登場して、そのエピソードも新鮮です。
あらすじ以外のこんな余話もドラマの面白さに拍車をかけてくれます。
ちなみに「竜馬がゆく」も「翔ぶが如く」も、司馬遼太郎さんは必ずその言葉を重要な場面で使っています。それを見つけると「当たり」と呟いてしまいます。