日曜版『The STYLE/Art』は見開き2ページ分が、まるごと「九州派ってなんだ(上)」でした。掲載の絵はすべて福岡市美術館収蔵品です。
日経本文より『前衛美術運動が華やかだった1960年代前後、福岡に「九州派」という異色の集団があった。反芸術を掲げ、公募展を拒否。アスファルトで描き、廃品を素材にし、過激なハプニングを繰り広げた。戦後の転換期の騒然とした地方都市で、一介の生活者でもあった若き画家たちを、何が突き動かしたのか』
数年前の福岡市美術館の展覧会でこれだけの絵が一堂に揃えば、黒々とした作品群に一瞬退いてしまいました。しかし何か力強いも、生命力みたいなものがぐいと体に入ってくるのです。
作家が活躍した時代は、炭鉱、労働争議、水俣病、60年安保・・・と戦後の転換期でした。作品には不安と何かを求めるエネルギーが見えます。新しい動きを作り出すべく「暴れ出す生活者」が九州派の主役です。
山口洋三学芸員が力を入れている「九州派」研究は美術界でも話題になりました。今回日経の全国版に取り上げられて市民としてとても嬉しく思います。