新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

最終巻『あきない正傳 金と銀』 & びっくりの「題名のない音楽会」

2022年08月14日 | 本・新聞小説
この時代小説『あきない正傳』シリーズにはまりこんだのは、面白いからと友人が回してくれたのがきっかけでした。歴史小説はよく読んでいたけど、こんなに引き込まれる時代小説の面白さは想定外で次の発行を待ち遠しく思ったものです。
2016年から毎年2冊ずつ発行、この夏で最終巻の13冊目です。友人から回ってくるのを待てずに先に買ってこちらから回す予定です。

川の流れに例えて「源流篇」「早瀬篇」「奔流篇」·····「瀑布篇」·····、そして「風待ち篇」「出帆篇」から最終の「大海篇」に至りました。
主人公·幸が大阪店を出て江戸に店を開いてからは「江戸古地図」を見ながら読み進める楽しみが増えました。

著者·高田郁さんによれば、きっかけになったのは松坂屋10代目店主·宇多。困難に屈せず商いを守り育てた強い女性を描きたいと新たに創り上げたのが主人公·幸ということです。
丹念に資料を調べて書いてあるので当時の社会、経済、歌舞伎などの風俗がよくわかったし、特に大阪の商家、商人の仕組みと暮らしぶりはこれからの本やドラマの解釈に役にたちます。

何よりも蚕、実綿、糸を紡ぐ、織る、型紙を彫る、染める、仕立てる、身に纏うなどの具体性を、ストーリーの中に自然に折り込む手法は実に上手いものだと感嘆しました。女性作家の細やかさがさりげなく出ているのも人気の秘密かも知れません。
13冊と古地図で江戸庶民の暮しが生き生きと身近に感じられ、時代の空気、時代感覚がつかめたのは大きな収穫でした。
「特別篇」としてあと2冊の発行を予定しているそうです。

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土曜の「題名のない音楽会」は、ショパンコンクールで同2位の反田恭平さんとガジェヴさんの豪華出演でした。

番組HPの写真です。
何とすごい組み合わせでしょう。お互いにリスペクトし合う姿勢がさらに音楽性を高めます。二人とも技術が素晴らしいだけでなく、曲を解説するときは「詩人だ」と深く感動しました。
30分と短いけどキラリと輝く番組でした。ピアノが何と「SHIGERU KAWAI」でした。ガジェヴさんがショパンコンクールで使用したピアノです。ショパン「前奏曲」を弾きだした音の美しかったこと!
ワルシャワのあのすごい会場で使用されたという日本の誇り!です。コンクールではスタンウェイだった反田さんも今日はそのピアノで演奏されました。

二人のコンサートに行ったというブログ記事を読むごとに羨ましく思っていましたが、今日の夢の共演を見て溜飲が下がりました。来週も続編が予定されています。
あ~ぁ、あの真夜中に聴いたショパンコンクールからもう11か月も経っていました。


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