5年前から膝の横に小さな突起が出たり引っ込んだり。悪性ではないので放っておいてもいいと言われましたが、最近時々痛むので切り取ってもらいました。
切開でなく、診療明細には「皮下腫瘍摘出術」となっています。麻酔注射をして3㎝ほど切開し皮下の袋状の瘤を摘出し、その後を5針ほど縫いました。日帰りでできます。
2日目の付け替えの時防水シールを貼ってもらいお風呂がOKになりました。抜糸はもう少し先です。
粉瘤という言葉があまりきれいな発音ではないので、なんとなく人に言うのがはばかられました。ネットで調べていたら、随分前のことですが皇太子殿下も腰にできた粉瘤を摘出されたという新聞記事を見つけました。
この日の夜は妹夫婦と一緒にコンサートを聴くことになっており、その前に「やぶ金」で夕食をとりました。「やぶ金」はビルの谷間に建つ登録文化財の古民家。活気のある大名の街中でここだけ時が止まったかのよう。手打ち蕎麦にぴったりの格式あるお店です。
蕎麦を食べる前にとりワサ、出し巻き卵のあんかけ、ナスの田楽を肴に地元のお酒をおいしくいただきました。母が亡くなったあとは4人一緒に揃うことはなかなかないので、久しぶりの楽しい会食でした。
コンサートは「あいれふホール」で。トリオ・フェリーチェの6年目の公演です。
コンサートといえば器楽が多い中、歌曲とピアノの組み合わせは珍しくて新鮮でした。プログラムの演目も初めて聞くものばかりで、テノールの岡本氏が曲目の一つ一つを解説をされました。そのトークが軽妙洒脱でうまくて会場が自然に和やかな雰囲気になりました。オペラで活躍されているだけに観客の心をつかんで曲の中に取り込む・・・みたいな。
ソプラノもテノールも朗々と、のびやかに、「声」をまるで楽器のように自由に発する信じられないような技術にため息が出ます。声楽と器楽、極めるのにどちらが難しいのかしら、と考えてしまいました。
吉田由季さんはイタリア在住。オペラに出演しながらミラノでさらに研鑚を積んでおられるとか。笑顔の美しい方でつい引き込まれて親近感が持てました。
大城綾子さんのピアノ。歌曲の伴奏ばかりでなくソロも。リストの「ため息」の超絶技巧はピアニストとして弾き甲斐のある曲だと思います。腕が、指が、どう動いているのかわからない・・・。女性に絶大な人気を誇っていたリスト。ファンの女性が失神したという話もあながちウソではない・・・かな。シューマンのピアノソナタ作品22番も演奏されました。
あるピアニストの方の「地方に行くと有名なありふれた曲ばかり聴きたがる。演奏者は自分の弾きたい曲があるのに」という言葉が耳に残っています。大城さんはこの曲をきっと満足して惹かれたのではないかと思いました。
吉田由季さんのブログはイタリア情報も載っています。「マイナーな曲を演奏するトリオ路線で行く」「聞いたことがない曲でも楽しんでいただく」と書いてありました。そう、大いに楽しませていただきました!
食べて、飲んで、おしゃべりして、聴いて、とても楽しいひと時でした。