郵便局から貰ったカレンダー、2月は微かな明かりの中にキラキラ光る雪?氷?の美しい結晶です。
(撮影者:江別文京台郵便局長 齊藤暢一)
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よく見ると「ダイヤモンドダスト」と書いてあります。それは私のイメージとは少し違っていました。こんなに固まっているの・・・。
ダイヤモンドダスト、この言葉をはじめて知ったのは30数年前。芥川賞受賞の南木佳士『ダイヤモンドダスト』でした。
すごく感動したのは覚えているけどストーリーはおぼろ。もう一度読みたいけど、すでに手元にはないので早速Amazonへ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/10/820ea0fa3c9626c866e62e3fc1eb887b.jpg?1644413554)
看護士の主人公は子供の頃母親を亡くし、若い妻も癌の再発で亡くし、脳卒中の父親と幼い息子の3人で暮らしています。
場所は軽井沢辺り。農地は別荘地に買い上げられ、町は豊かになり様相も変わってきますが、根底にある自然の美しさが通奏低音の様に感じ取れます。
ある時、ベトナム戦争を経験した宣教師が癌末期で入院してきます。同じ頃父親も倒れて同室になります。心に傷を持つ二人はいつの間にか心が通うようになっていました。この場面は、透明感のある悲しみがじんわり襲ってきて胸がつまりました。医師である著者の描写力に負うものでしょうか。
主人公は死に向かう人を静かに受け入れ、脳卒中の父親に寄り添います。
幼なじみとの出会いもあり胸をときめかしドラマがあるかな・・・と期待しますが、感動や盛り上りがあるわけでなく、何事もなく静かに終わります。
その最後の場面に出てくるのがキラキラ光輝くダイヤモンドダストでした。
読み終えて、静かな感動を覚えます。この感じが大好きです。中勘助『銀の匙』のような。