中学生か高校生の頃見た「80日間世界一周」は、その後見た「ウェスト・サイド・ストーリー」よりインパクトが強く、心にぽっと光を灯してくれました。当時の映画には夢と温もりがありました。
ジュール・ヴェルヌ原作の作品は「地底探検」もそうですが、未来への夢と希望を与えてくれるわくわくする映画で、もう一度見たいと強く願っていました。何度かテレビでも放送されたようですが、何十年ぶりにやっと実現しました。いつものNHKBSシネマです。
日本では明治維新を成し遂げたその頃、英国紳士のクラブで「80日間で世界を一周してここに戻る」、と全資産を賭けたフォッグは万事に器用な使用人を連れて出発しますが、スタートから土砂崩れで鉄道が使えず急遽気球に変えました。
資産の中から2万ポンド、旅の資金は心配は無し。気をつけるのは限定80日間の数字だけ。先ずは気球を買いました。
手引き書片手に1万メートルまで上昇、アルプスだって楽々越えます。カメラワークが素晴らしく、フランスの森や河、お城、なだらかに広がる畑、夕日など、観光ガイドの様相です。まだ世界が狭かった私にはそこはかとなく夢が広がりました。
今なら撮影技術を総動員して何でもないことかも知れませんが、製作されたのは1956年です。
風に流されてスペインへ。無駄に時間を使ったので、エピソード満載で船を手に入れスエズを越えてインドへ。
インドの横断では鉄道が途切れて象に乗ることも。ここで殉死させられる姫君を助け、道連れがひとり増えます。
ハプニング続きで主人と使用人は別々の船で日本に到着。横浜で再会します。
サンフランシスコに到着。まだ英国優位の時代ですが、新天地には新しいエネルギーが弾けています。
有名俳優が各所で部分的に登場。フランクシ・ナトラが酒場でピアノを弾いていました。今見たら若い!
西から東へ大陸横断鉄道に乗ります。途中でのハプニングも見もの。原住民との協和と対立が続きます。
使用人が命の危機に!(映画ではいつも先住民の行動は否定的ですが・・・)
騎兵隊の力を借りて危機から脱出したものの、ニューヨークへの汽車は既に発車して取り残されます。気になるのは時間のみ。が、捨て置かれた荷馬車に目を付け改造します。どこまでもプラス志向!
帆を張り風を受けて線路の上を走行、途中立ち往生している汽車を横目に、スイスイと追い越してニューヨークに到着。
イギリスへの客船は既に出航していて、もう予定日到着はアウト。そこで大金をはたいて小さな商船の行き先をリバプールへ変更させます。燃料が途中で切れますが、知恵の結集で乗り越え、めでたくリバプールに着きます。が、ここで銀行強盗に間違えられ留置場で足留め。完全に送れてしまいました。敗北。全財産を失うことに・・・。
しかし翌日の新聞を見て日付変更線を越したことに気づきました。丸1日稼いでいたのです。やっと約束のクラブに着いたときは約束時間の数秒前でした。
時計は午後8時45分を指しています。めでたし、めでたし。
エンドロールが半世紀以上も前のものとは思えない新鮮さ。
この時は知らなかったけどアカデミー賞を総なめした作品だったのです。この映画のテーマ曲はよく耳にする名曲です。
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この後に、1都3県に来月7日まで緊急事態宣言が発令されました。ひと月で減少傾向に向かうのか、他県は必要ないのか・・・。住民には「午後8時以降の不要不急の外出の自粛」を求めていますが、これでいいのか・・・。
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この後に、1都3県に来月7日まで緊急事態宣言が発令されました。ひと月で減少傾向に向かうのか、他県は必要ないのか・・・。住民には「午後8時以降の不要不急の外出の自粛」を求めていますが、これでいいのか・・・。
前回の自粛宣言よりかなり緩いけれど効果があるか・・・。メルケルさんのメッセージの強い意思は心に届きました!
テレビ画面の菅首相の上部に流れるテロップには大雪の警報が!苦渋の日本、今大変な時です。
民主主義の国アメリカで議事堂占拠。ショックでした。この後共和党議員の苦悩の表情に少し民主主義が戻った感じがしました。