一週間はあっという間、明日はもう日曜定番の「鎌倉殿・・・」です。
先週の富士野の巻き狩りでの頼家のデビューは芝居がかって滑稽でしたが、源氏が生き残る、頼朝の後継を決める、というのは大変なことだったのですね。
他の本では、蘇我兄弟は仇の工藤祐経を討った後、頼朝を襲ったと記憶していましたが、かなり違っていました。
工藤祐経が河津三郎を討ったのも、伊東祐親に荘園を横領された深い恨みからでしたが、蘇我兄弟にとって祐経は父の仇。さらに兄弟の祖父・祐親は頼朝に捕らえられ自害したという二重の恨みを持っていました。
大河では、兄弟は最初から頼朝を打つべく寝所に入り込み、誅殺したのがたまたま身代わりの工藤祐経だったのです。
蘇我兄弟により謀反を起こされたとあっては鎌倉政権が揺らぎ兼ねません。また武士団の争いになりかねません。
工藤祐経は都合よくも兄弟にとって親の仇だったのです。義時は兄弟が頼朝を狙ったのではなく、最初から親の仇として工藤を打つつもりだったというストーリーを作り上げたのです。クリーンだった義時の心に暗雲がたち始めました。
義時は、頼朝に『これは仇討ちを装った謀反ではなく、謀反を装った仇討ちにございます』と、あくまでも個人的なものだと言い含めました。
父時政も謀反の黒幕と疑われ兼ねない北条氏にとって、生き残るための苦肉の知恵でもあったのです。
義時を慕う比企一族の娘・比奈に「あなたが思っているより、私の心はずっと汚ない・・・。一族を守るためなら手だてを選ばない男」だと打ち明けた義時には、組織の中で生き延びるために、そしてこれからの北条の青写真がおぼろげに見えていたのかもしれません。
明日は「範頼の番」です。好い人なのに・・・。