新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

指揮・小林研一郎  & ヴァイオリン・前橋汀子

2020年02月15日 | 音楽
「コンサートに行く」ってことはうきうきして、食事やカフェをセットにしてのお楽しみですが、新型コロナウイルス騒動で最短距離、最短時間で行ってきました。マスクと消毒液もバッグに忍ばせて。
前を歩いていた男性、手すりに手を掛けようとしてあわてて引っ込めていました。コロナウイルス対策が行き渡っています(*^^*)

前橋汀子さんのヴァイオリンはずっと聴きたいと思っていました。サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、Youtubeで6人のヴァイオリニストを聴き比べて、前橋さんの演奏は素晴らしかったのでとても期待していました。
 
演奏活動55周年とはとても思えないほどの美貌と力強い演奏は「美人ヴァイオリニスト」と話題をさらった昔とあまり変っていません。
観客にシニアの男性陣が多かったのは、青春時代から前橋さんと共に55周年を迎えたのだという甘酸っぱさがあるのかもしれませんね。
3階のバルコニー席までびっしり!演奏者は挨拶の時に3階席まで見上げますが、嬉しいですよねー。

以前から国際的にも高く評価されていましたが、弾き方が円熟されたというのが感想です。弾き方に抑揚があり情念的というかストーリーを感じてしまいます。人生が編み込まれているようで、とてもとても素晴らしいものでした。

チャイコフスキーの交響曲第4番第3楽章。弦楽器のヴァイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスがほとんどピチカートで演奏、時折管楽器と入れ代わるけどずーっとピチカート演奏。一斉にボウを下に置いて指だけで演奏。音が軽快だし、この演奏法は見る楽しみもありうきうきしながら楽しく聴きました。
「炎のチャイコフスキー」といわれるほどめらめらと燃えた大演奏の劇的な終わり方に思わず「おーっ」という声が漏れていました。今日の演奏曲目はすべて心に響き感動し、そして余韻も残りました。

今日の九響メンバーは若い人が多く、前橋さんも「フレッシュでみずみずしくてとても弾きやすかった」とコメントされたし、コバケンさんも、久しぶりに九響のタクトを振ったらそのエネルギーに呑まれてしまったと絶賛され、メンバーの一人ひとりに握手を求めに行かれたのはとても素敵な光景でした。満足度の高いコンサートでした。

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