<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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アップルコンピューターのマシンは、昔から他のパソコンとちょっと変わっていて、妙に人間臭いことが少なくなかった。

まず、スイッチを入れるとにっこり笑ったMacのアイコンが映し出されたのだが、それが私の誕生日なら「誕生日おめでとう」の文字が表示されるし、お正月三が日は「明けましておめでとうございます」が起動画面に表示された。

難しいソフトを動作させていたり、長い文章を書いていたりすると、突然「爆弾マーク」が表示され、すべてのデータが消えてなくなる、なんてことも1回や2回ではなかった。
私の英会話の講師、カナダ人のGなんかは、書いていたレポートが吹き飛んで以来、マックの顔も見たくない、というWin派に成り果てたが、私はそれでもMacを使い続けた。
ほとんどフリーズしない今のMacからは考えられない時代だった。

絵を描く。
音楽を作る。
写真を加工する。
CGのモデリングをする。
印刷原稿をつくる
などなど。

MSのOSとは明らかに違う何かが私たちを魅了した。

その「何かが違う」はやがてパソコンだけではなく、音楽プレーヤーから携帯電話、ビジネスの仕方まで変えてしまった。
アップル社。

その創業者スティーブ・ジョブスが亡くなったというニュースは、自分でも驚くのだが、読んでいて、涙がでそうになってしまった。
ただ単に、いつも自分が使っているコンピューター会社の創業者の訃報にそんな感情をちょっとでも抱くとは驚きだったのだ。

そしてアップルが一昨日発表した新型iPhoneが「5」ではなく「4S」であったことも合点が行った。

不思議な実業家スティーブ・ジョブス。
享年56歳。
若すぎる。

今、世界中のMac使いがその死を惜しんでいるに違いない。


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