10月1日から大阪市営地下鉄が1駅100円のキャンペーンを始めた。
但し、大阪市交通局発行のIC乗車券「OSAKA Pitapa」の利用者に限るのだという。
なんともショボイキャンペーンだ。
私の持っている南海電車発行のMinapitaカードやJR西日本発行のsmart ICOCAも対象外。
もちろん東京都交通局発行のPASMOなんか論外。
非常に疎外感溢れる、キャンペーンで、大阪市の平松市長の肝いりにしては中途半端という誹りは免れないだろう。
そもそも、大阪市営交通を民営化すべき、という橋下徹大阪府知事の主張に反対して市営を貫くためのキャンペーン。
1駅100円にしたら支持も集まろうとは、国鉄の民営化を思い出すと「まだしがみつくのか」と訴えたくなる。
つまり「市営でも100円でやっていけますよ」と主張したいわけだが、知事の主張している「もっとビジネスの幅を広げる民営化」とは、視点が全く異なる。
これは、いけない。
ところで、百貨店業界は再編が進んで現在売上首位は高島屋。
それに三越やそごう西武などが続いている。
小売業界の闘いは激しく、合併、身売り、精算、提携などが繰り返され、いつどこが首位を奪取し、あるいは転落してもおかしくない市場なのだ。
ところが、本当のランクはちょっと違って、首位はホントは高島屋ではない。
ある経済誌の調査によると、ホントの百貨店売上首位はJR東日本が運営するAtre。
アトレ。
首都圏の主要な駅の駅ビルに入店しているショッピングモール。
ここが百貨店なら日本一なのだそうだ。
Atreは百貨店組合にも参加していないし、駅ナカの一種と数えられているので百貨店とみなされていない。
従って、百貨店ランクからは除外されているけれども、実際に行って買い物してみると、明らかに百貨店なのだ。
JRが展開している小売業は東だけではなく、西も好調で、大阪駅に開業したルクアは三越伊勢丹をすっかり飲み込んでしまっているという。
つまり、公営交通が民営化するとJRがいい例を示すように、鉄道やバス事業以外に優位な立地を生かして様々なビジネスを展開し、事業拡大に成功するということ。
大阪市交通局も民営化したら、もっと様々な事業を展開して利用者サービスの質を高められるのに、というのが知事の主張で、1駅100円はいかにも役所の人が考えるチープな作戦。
ちなみに、大阪市営地下鉄はあれだけ多くの乗客が利用しながら駅ナカ、喫茶店、書店など一切ない。
あるのは時間限定でオープンしている売店だけ。
時間によっては新聞・雑誌も定期券も買えないのが、大阪市営地下鉄の現状だ。
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