<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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この春から私の地元の公立図書館の開館時間が変更になった。
これまでは10:00から17:00だったのが、10:00から20:00に変わったのだ。
これで仕事帰りでも図書館を利用できるチャンスが広がり、土日メインで訪れていた時間は別のことに費やすることができる。

そもそも公共図書館が役所と同じ営業時間というのはいただけないとものだと思っていた。
私の住む大阪府南部はとりわけ保守的考えが強く田舎的である。
地域のコミュニティはつながりが深いのだが、深い分だけ地域で完結してしまう。
発展性が希薄だ。
従って、
「魅力的なまちづくりをしよう!」
と、掛け声をかけても市外には目が向かず、コミュニティ内で満足すればそれでおしまい。
地域の活力を削ぐ結果となってしまっていた。

図書館は地域の教育レベルのバロメーターでもあり、運営を大切にする街は少なくない。

例えば鳥取県は人口70万人程度の小さな自治体だが、書籍に費する予算は人口150万人の神戸市よりも多いと言われている。
またひところ話題になった佐賀県武雄市は図書館運営をTSUYATAに委託。
開館時間も朝9:00から夜9:00で年中無休だ。
その他にも兵庫県伊丹市の市立図書館ことば蔵、神奈川県大和市のシリウス、東京都千代田区立日比谷文化図書館、ビジネス専門大阪府立中之島図書館など、個性あふれる図書館が街の文化レベルを上げている。

しかしまだまだ図書館を「無料図書レンタル屋」ぐらいにしか思っていない幹部が巣食う自治体が数多く存在している。
そういう街は図書館の蔵書数が少ないばかりか開館時間は役所と同じで利用者の利便性にはほとんど配慮していないのが一般的だ。

私の住む街もそういう頂けない街だと最近は諦めていたのだが、ここにきて大きな変化が起こった。

図書館運営の外部委託の徹底である。
職員や氏で採用したパート職員で運営するのではなく、図書館運営に長けた専門業者に委託するのだ。
これにより市としてはコスト管理がやりやすくなる一方、利用者側としても専門職員と同等、或いはそれ以上のスタッフにより丁寧な扱いを受け、図書に関するやりとりもより容易で便利になる可能性がある。

図書館の役割が書籍の閲覧や貸出だけではなくなっている現在、次なる一手はいったいなんなのか。
南大阪の硬直した文化に風穴をあけることはできるのか。
楽しみではあり、ここまでかな、と思うところもなくない。
そんな図書館のちょこっと進化なのであった。



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